消化器内科 後期研修医紹介

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後期研修医からのメッセージ

私は初期研修1年目から後期研修3年目までの5年間を市立宇和島病院で研修しています。当院は南予地域の中核病院であり、3次までの救急病院でありながら慢性期、終末期の患者様を受け入れることも多く、医師の様々なキャリアパスに対応した研修が受けられます。その中でも特に重要だと感じているのは、病院の規模・患者数に対して医師の数が少ない為、初期研修時から主体的に検査・治療のマネジメントを行うところです。主治医はただ入院中の疾患を診るのではなく、その患者様の今後の生活を保障出来るような医療を提供する必要があり、経験豊富な上級医の元で主治医と近い立場から方針を決定していくことで、主治医の理想像に近づく研修が出来るのではないでしょうか。私自身は初期研修終了後、消化器内科に所属して日々の診療を行っています。3年目からの2年半で上部1530例、下部310例、胆膵系170例程度の内視鏡検査を主施行医で施行し、上部消化管出血での緊急止血(55例)、大腸EMR(53例)、胃ESD(8例)など数多くの処置を経験出来ています。内科医として肺炎、脳梗塞などのcommon diseaseの経験も多いですが、その中でも充実した専門研修を行うことが出来ています。

当院で少し不便な所は学会等の移動やセミナー等の講習への参加ですが、慣れればそれ程苦になりません。必要な書籍や講演はネットでも対応出来ますし、院内の検索ツールも整っています。患者様も穏やかな方が多く、病院スタッフの雰囲気は良いですし、不定期で開催される若手の集まりは非常に楽しいです。初期研修から後期研修にかけて理想的な病院だと思いますので是非一緒に研修しましょう。

市立宇和島病院 消化器内科専攻医 橋本 悠

内視鏡室の紹介

1.施設名

市立宇和島病院

2.責任者氏名

長谷部 昌

3.沿革・特徴など

市立宇和島病院は、1910年(明治43年)公立病院を希望する住民の要請で宇和島町立病院として内科、外科、産婦人科、耳鼻咽喉科および眼科の5科で開設された。その後、宇和島の市制実施に伴い市立宇和島病院となり、診療科を順次増設し四国西南地域の総合病院として、救命救急センターを併設し地域の医療を担っている。2008年(平成20年)には全面改築を行い、435床、28診療科で救急医療、急性期医療を中心に診療を行うと共に、日本内科学会教育病院、地域がん診療連携病院、災害拠点病院等各種の拠点病院、指導施設の役割を担っている。消化管の内視鏡検査は1960年(昭和35年)12月7日に開始、以後胃カメラ時代から今日まで地域の多彩な疾患に対応するため、設備を充実しつつ消化器疾患の診断・治療に取り組んでいる。

4.組織上の位置づけ

内視鏡室は中央診療部門のひとつに位置づけられており、消化器内視鏡部門の業務は消化器内科の医師が担当している。その他、気管支鏡検査も内視鏡室で行われており、呼吸器外科医師が担当している。

5.内視鏡室の特徴・見取り図

内視鏡室の見取り図

総面積 216.74平方メートル

当内視鏡室の特徴

内視鏡室は内科外来診療部門の一角にあり、総面積は217平方メートルである。内視鏡室は4部屋であり、すべて個室である。1部屋にはX線透視装置を配置しており、同一スペース内で消化器内視鏡関連の検査、処置を実施できるようになっている。また、ベッドでの患者搬入が可能なように通路は広く、各部屋は急変時にも対応しやすいようスペースを広く設計されている。

午前中には上部消化管内視鏡検査を中心に行い、午後には大腸内視鏡検査、ERCP関連手技および消化管内視鏡治療を行っている。

内視鏡検査の前処置はすべて前処置室で行っている。大腸内視鏡前処置に関しては、当院では高齢者が多いため、看護スタッフの観察のもと当日前処置室で行っている。また、特に大腸内視鏡検査後は、中央処置室内の内視鏡リカバリーエリアで一定時間休んだ上で帰宅していただいている。

内視鏡画像はファイリングシステムで管理しており、画像とレポートは病院内の電子カルテで参照できるようになっている。

6.スタッフ(2012年12月 現在)

医師 指導医:5名(非常勤2名を含む)、専門医:1名 医員:1名、研修医:3名
内視鏡技師 Ⅰ種 3名
看護師 2名、その他 1名

7.設備・備品(2012年12月 現在)

(1)上部消化器内視鏡

GIF-Q260 3本
GIF-H260 3本
GIF-H260Z 2本
GIF-Q260J 2本
GIF-2TQ260M 1本
GIF-XP260NS 1本
GIF-XP260N 1本
GIF-XK240 1本
JF-260V 3本
SIF-Q260 1本

(2)下部消化器内視鏡

CF-H260AZI 4本
CF-H260AI 1本
CF-Q260AI 1本
PCF-Q260AZI 2本

(3)内視鏡治療・処置具

高周波発生装置 ERBE VIO 300D 1台
高周波発生装置 ESG 100 1台
内視鏡送水装置 OFP 4台
内視鏡用炭酸ガス送気装置 UCR 1台

(4)洗浄機

OER-3 4台

(5)教育用機材

胃モデル 1台
大腸モデル 1台

(6)IT関連機材

画像ファイリングシステム Solemio

(7)その他特記すべき器材

ギブンイメージカプセル内視鏡システム 1式
超音波観測装置 EU-ME1 1台
超音波プローブ UM-G20-29R 1本、
UM-3R 1本、
UM-2R 1本

8.実績(2011年12月~2012年11月まで)

診断

上部消化器 5513件
下部消化器 1767件
ERCP 325件
EUS 16件
小腸シングルバルーン内視鏡 4件
カプセル内視鏡 4件

治療

ポリペクトミー/EMR(上部) 28件
ポリペクトミー/EMR(下部) 208件
腫瘍粘膜下層剥離術(ESD) 51件
内視鏡的止血術 134件
食道静脈瘤治療 31件
異物除去術 25件
消化管狭窄拡張術 23件
消化管メタリックステント挿入術 13件
PEG 65件

膵胆系

EST 119件
ERBD 254件
ERPD 14件
胆管メタリックステント挿入術 8件

9.指導体制・指導方針

研修医は臨床研修制度に則りローテーションしてくるので、個々人の研修状況・希望に沿って内視鏡の指導を行っている。

研修1年目では、約2カ月が消化器内科ローテート期間である。基本的には広く消化器内科を受診する患者さんを診療することにより、全般的な消化器疾患の理解を目標として研修をおこなっている。その一環として、受け持ち患者の内視鏡検査・処置を通じて、検査・処置の目的、方法および偶発症等について理解を深められるよう心掛けている。また、内視鏡機器の構造、開発・進歩の歴史や過去の医療事故等から導かれる教訓などについて文献的学習を行い、胃モデルを利用した内視鏡操作の練習を行っている。さらに、機器の取り扱い、洗浄・滅菌の実際を内視鏡技師に指導してもらっている。

2年目で選択ローテーションを行い内視鏡診療にも興味のある研修医には、消化器疾患の理解と共に、受け持ち患者を中心として指導医のもと、実際に上部内視鏡検査をおこなってもらっている。

指導医と一緒に行動し、患者へのインフォームドコンセントおよび同意書の作成を行い、常に指導医のチェックを受けながら次第に慣れるよう教育を行う。十分患者とのコミュニケーションがとれている受け持ち患者の検査終了後、指導医から内視鏡を受け継ぎ抜去を行いながら実際の内視鏡の取り扱い感覚を身につけることから始める。その後、比較的観察容易な症例から指導医の監視下に検査を行い、手技の習得ができるようにしている。

後期研修医は、実際に指導医のもと、消化器内科を受診する患者の主治医として消化器内科全般を経験してもらうことにしている。内視鏡部門については、まずは通常の上部内視鏡検査を研鑽し、各人の技量に応じて大腸内視鏡検査、治療内視鏡およびERCP関連手技を経験してもらっている。当院は多彩な救急患者も多く来院されるため、指導医のもとではあるが必然的に緊急内視鏡的止血術やERCP関連処置を経験する機会は多くなっている。また、消化器内科全般を診療することとなるので、消化管も肝胆膵系も、あらゆる内視鏡検査、処置の基礎を後期研修医の間に習得できるよう心掛けている。

週1回の内視鏡カンファレンスでは、読影能力や基本的知識の習得に努めており、週1回院内胃腸疾患検討会で、外科、病理とも一緒に症例検討を行っている。また、月に1回、宇和島胃腸疾患研究会に参加し、症例検討の理解を深めるよう努力している。その他、研究会や地方会の症例報告を中心として、プレゼンテーション等のトレーニングも心がけている。

10.現状の問題点と今後

消化管の内視鏡検査は、ほぼ安定した件数で推移している。治療に関しては、胃腫瘍に対するESDは徐々に手技の安定が進み,より安全でより確実に一括切除できる症例が増えてきた。さらに、今年度より保険適応となったこともあり、大腸ESDも開始できた。また、上下部消化管の出血性病変に対する緊急内視鏡検査や大腸腫瘍に対する内視鏡的切除も、多数経験している。また、今年度より小腸カプセル内視鏡も導入でき、ほぼ必要な検査は可能となっている。今後は、更に質的に向上させるべく,努力が必要とされる。

ERCP関連手技では、特に高齢者の総胆管結石症例を多く経験する。幸い重篤な偶発症は起きていないが、まずは安全な処置を追及すべく、手技の向上を考えている。当院では、EUS専用機器はなくEUS-FNAも行えない。当地方の基幹病院としては必要と判断され、次の機器更新時に検討する予定である。それに併せて、技術の獲得が必要である。

新病院となり内視鏡室の環境は飛躍的によくなっている。しかし、大腸内視鏡検査の増加のため前処置室が手狭となり、予約の待ち時間が長くなっている。施設については、いかんともしがたい状況であり、現場の工夫で予約枠をやりくりしているところである。

一番の課題は、消化器内科の指導医は多くいるが、慢性的医師不足、後期研修医が少なかったことである。幸い、今年度より消化器内科の後期研修医若干名を確保でき、この点も解消される予定である。若い医師を指導することにより上級医もさらに診療意欲が向上すると思われ、相乗効果を期待する。当地方においては、内視鏡検査は当院に集中しており、多彩な経験・研修ができると考えられ、診療の質を向上させるとともに研修条件を改善し、あらゆる場を通じて若い意欲ある医師にPRを続けていくことが重要と考えている。

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