臨床検査科、病理診断科

1.業務の総括

昨年に引き続き仕事の質の向上に取り組み、迅速・正確な検査を目指して業務を遂行していくことと、患者サービスの向上を目標にして検査業務を行いました。新たに3名が資格認定を取得しました。ICT、NST、糖尿病指導など「チーム医療」にも参加しています。24時間体制で緊急検査に対応しています。

2.臨床検査科

臨床検査について

臨床検査は、血液、尿などを調べる検体検査と、身体を直接検査する生理検査の2つに大きく分けられます。どちらも、最新の自動分析器や、画像診断装置等で測定し、正確で精度の高い検査結果を迅速に医師に報告しています。

病院の中で臨床検査技師は、各専門分野を担当し、医師、看護師など、いろいろな職種の人達と連携をとりながら、チーム医療の一端を担っています。また、夜間、休日においても必要な緊急検査等を24時間体制で対応しています。

臨床検査は現代の医療にとって、無くてはならないものになっています。

検査受付

検査受付の写真

本館2階15番が検査受付です。採血、採尿、生理検査室への案内などを行っています。ここで医師によって指示された患者基本スケジュール票(受付票)の受付をすると、検査に必要な採血整理券(番号)、尿コップを作成します。また同時に採血室で採血管が準備されます。その他、持参検体(便潜血、蓄尿、喀痰など)の受け取りなども行っています。

採血室

採血室の写真

臨床検査技師が中心となり、看護師と共に外来患者様の採血業務を行っています。毎日、300人ほどの採血を行っています。採血後は直ちに検査を行い、医師はコンピュータでデータを確認できます。

また、採血管準備システムにより、翌日の病棟患者様の採血管を準備し、配布しています。

生化学・免疫血清検査

生化学検査は、血液、尿等から健康状態や病気の程度を調べる検査です。

肝機能検査(AST、ALTなど)、腎機能検査(BUN、クレアチニンなど)、脂質・糖代謝検査(コレステロール、血糖など)など、多数の検査項目を実施しています。また、各種血中薬物の濃度測定も行っています。

免疫血清検査は、感染症検査(肝炎ウイルス、梅毒、HIVなど)、各種腫瘍マーカー(CEA、AFPなど)、ホルモン等の検査を実施しています。

生化学・免疫血清検査の写真1
生化学・免疫血清検査の写真2

血液検査

貧血、感染、白血病を調べるために、自動血球分析装置を用いて、血液中の赤血球、白血球、血小板などを測定します。また、顕微鏡を用いて、染色した白血球の種類を分類したり、骨髄の血液細胞を調べます。

血液の固まりぐあいを診る凝固検査は、出血、止血などの治療に役立っています。

血液検査の写真1
血液検査の写真2

一般検査

一般検査の写真

腎臓・尿路系疾患の異常を調べるため、尿検査(糖・蛋白・赤血球の有無など)を行います。消化管出血の有無を調べるため、便潜血検査をしています。

また、回虫やぎょう虫など顕微鏡で観察する寄生虫検査も行っています。

細菌検査

細菌検査の写真

感染症は、様々な微生物に起因して発症します。尿、喀痰、便、膿などの検体から起炎菌を同定し、その菌に効く薬を調べる薬剤耐性検査を行っています。ウイルス抗原検出・毒素検出等、病原体の存在を短時間で検査したり、結核の検査では遺伝子(PCR)検査も行っています。院内感染対策(ICT)のメンバーとして日々活動しています。

輸血・免疫学的検査

輸血とは貧血などの病気や出血により不足した成分を補充する重要な補助療法です。

輸血前には、血液型(ABO、Rh)、不規則抗体、交差適合試験などの検査を行います。

輸血ミスを防ぐため、コンピュータ管理や最新式の機器を導入し、血液製剤の発注・保管・輸血検査・出庫・副作用管理まで、すべてを一元管理しています。

また、本人から採取した自己血も輸血するまで安全に保管管理しています。

輸血・免疫学的検査の写真1
輸血・免疫学的検査の写真2

生理機能検査

不整脈、狭心症、心筋梗塞などを調べる心電図検査、呼吸器の働きを調べる肺機能検査、てんかん波の有無や頭蓋内病変による変化を捉える脳波検査、他にも、眼底カメラや、血管の状態を見るABI検査やSPP検査、睡眠時無呼吸を調べるPSG検査などにも対応しています。

また、心臓や腹部を始め、動脈硬化の程度をよく反映する頚動脈エコー、下肢静脈エコー等、超音波学会認定の技師が中心になり実施しています。心臓カテーテル検査・治療には24時間対応できるように待機しています。

生理機能検査の写真1
生理機能検査の写真2

緊急検査

病理・細胞診検査の写真

宿直1名、日直2名の技師が対応、毎日24時間体制で検査を行っています。

検査項目は、血液ガス分析、生化学検査(24項目)、血液検査(血算、凝固5項目)、尿検査(定性、目視)、妊娠反応、輸血検査(血液型、不規則抗体、交差適合試験、製剤管理等)、心電図、細菌検査(血液培養、インフルエンザ、A群β-溶レン菌)、髄液検査等、迅速に対応しています。

臨床検査科 職員構成と配置

職員構成

医師 2名
臨床検査技師 34名(正規27、嘱託5、パート2)
看護師 6名(パート6)
技術・事務員 2名(嘱託1、パート1)

部門別人員配置

検体検査系 26名
 血液・生化学・一般 10名
 輸血・移植 3名
 細菌 3名
 中央採血 4名(看護師)曜日限定あり
(検査技師も採血業務にあたる)
生体検査系 14名
 生理検査・エコー 12名(1名耳鼻咽喉科)
 MRI 2名(放射線科へ出向)
受付・他 2名

臨床検査科 スタッフ紹介

科長 中西 護(なかにし まもる)

資格・認定 日本病理学会病理専門医・指導医
死体解剖資格認定
主な専門領域 人体病理
主な所属学会 日本病理学会、日本癌学会、日本血液学会
日本消化器内視鏡学会、日本消化器病学会
ドクターから一言 臨床の先生と違った視点より、疾患単位の確認、病態の検討をしています。

臨床検査科 有資格者一覧

日本輸血細胞治療学会・輸血検査技師 宇都宮佳代
日本超音波医学会・超音波検査士 上﨑直人、久保田典夫、笠村知春
日本消化器内視鏡学会・消化器内視鏡技師 上﨑直人
日本糖尿病療養指導士 西本幸恵、赤松金平
愛媛県糖尿病療養指導士 西本幸恵
緊急臨床検査士 赤松金平、薬師寺孝徳
二級臨床検査士(血液) 大下時廣
毒物劇物取扱責任者 菅 恭弘、赤松金平、大森公揮
有機溶剤作業主任者 大森公揮、菅 恭弘
聴力測定技術者 矢野佐央理
認定認知症領域検査技師 高村好実
認定心電検査技師 笹村竜也
日本輸血・細胞治療学会T&A視察員 宇都宮佳代

臨床検査科 検査件数

検体検査 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年
一般検査(尿・便) 184,956 478,740 459,420 470,507
血液検査 573,827 870,314 864,884 899,192
生化学検査 1,572,538 2,009,504 2,061,639 2,083,338
血清検査 47,899 ***** ***** *****
外注 45,558 107,723 97,960 93,464
輸血免疫検査 23,709 58,897 69,190 60,965
細菌検査 91,271 76,389 (注)32,666 33,834

(注)システム変更により集計方法が異なる

生体検査 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年
生理検査(ECGなど) 32,029 32,880 31,471 30,517
心エコー 5,465 5,129 6,340 5,628
腹部エコー 5,687 5,443 5,398 6,659

3.病理診断科

研修・認定施設

  • 日本病理学会認定施設(B)
  • 日本臨床細胞学会認定施設
  • 日本臨床細胞学会教育研修認定施設

病理・細胞診検査

病理・細胞診検査の写真

手術で摘出した胃や大腸のような臓器、胃カメラで採った組織や婦人科検診で採った細胞を調べ、悪性かどうか判定します。手術中に得られた材料から凍結標本を作成し、良性・悪性の判断、転移の有無を迅速に判断し、手術での切除範囲の決定のための情報を提供する迅速病理組織検査も行っています。

また、病死の診断、病気の進行程度、治療効果の判定などのため、病理解剖も行います。

病理診断科 職員構成

医師 1名

病理診断科 スタッフ紹介

科長 松影 昭一(まつかげ しょういち)

資格・認定 日本病理学会病理専門医・指導医
日本臨床細胞学会細胞診専門医・指導医
日本臨床検査医学会臨床検査管理医
死体解剖資格認定
主な専門領域 診断病理
主な所属学会 日本病理学会、日本臨床細胞学会、日本臨床検査医学会
ドクターから一言 迅速で正確な病理診断を通じて、地域医療に貢献したいと考えています。

病理診断科 有資格者一覧

国際細胞検査士 中川健司、菅 恭弘
日本臨床細胞学会・細胞検査士 中川健司、菅 恭弘、矢野早紀
特定化学物質・四アルキル鉛作業主任者 中川健司、菅 恭弘

病理診断科 検査件数

検体検査 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年
病理組織診 4,317 4,333 4,295 4,559
病理細胞診 5,519 5,509 5,440 5,516
病理解剖 20 13 13 8
▼医療関係者向け情報▼

4.学術的業績(2016年1月1日~12月31日)

1)論文報告

菅恭弘、中川健司、中西護、松影昭一:
体腔液細胞診におけるセルブロック作製の有用性について.
南予医学雑誌 2016;17 :16- 24.

2)学会発表

(地方会)

平成27年度(一社)愛媛県臨床検査技師会MRI分科会(2月6日、松山)

認知症の画像検査の基礎
高村好実

平成28年度愛媛県臨床検査学会(5月29日、松前)

  1. 小網性脂肪織炎と考えられた1症例
    菊池舞
  2. ADVIAのサイトグラムが有用であった急性骨髄性白血病の1例
    魚住重吏子
  3. FDP、Dダイマー測定値の逆転現象を認めた1症例の解析
    大下時廣

四国臨床協議会平成28年度微生物検査研修会(9月11日、徳島)

血液培養からRothia micilaginosa を検出した1症例
三浦美奈子

中国四国医学検査学会(11月26-27日、高知)

  1. ICG試験において異常高値を呈した1症例
    薬師寺孝徳
  2. CS-2500におけるファクターオートP-FDP、Dダイマー試薬の基礎的検討
    大下時廣
  3. シンポジウム 最高のシステム構築を求めて~生化学・免疫分析装置の特性について知る~
    市立宇和島病院でのcobasシリーズ運用経験
    赤松金平

(研究会)

愛媛県病理研究会(4月9日、東温)

  1. Epithelioid trophoblastic tumor
    松影昭一
  2. Histologically diffuse large B-cell lymphoma
    中西護

愛媛県病理研究会(10月8日、松山)

Spiradenocarcinoma
松影昭一

3)座長

平成27年度(一社)愛媛県臨床検査技師会MRI分科会(2月6日、松山)

高村好実:脳卒中におけるMRIの役割

平成28年度愛臨技糖尿病療養指導士分科会研修会~技師のための糖尿病相談所⑭~(2月7日、松山)

西本幸恵:認知症と高齢者糖尿病

平成28年度愛臨技糖尿病療養指導士分科会研修会~技師のための糖尿病相談所⑮~(6月19日、松山)

西本幸恵:糖尿病の最近の治療

第6回日本認知症予防学会認定認知症領域検査技師スキルアップセミナー(9月24日、仙台)

高村好実:神経心理学的検査について

平成28年度(一社)愛媛県臨床検査技師会学術部研修会(11月12日、八幡浜)

高村好実:当院における多職種の関わりについて ~チーム医療の推進と地域医療構想~

第13回きさいや南予CDE研修会(11月22日、宇和島)

西本幸恵:糖尿病患者の心理について

平成28年度第49回日臨技中四国支部医学検査学会シンポジウム輸血部門(11月27日、高知)

宇都宮佳代:輸血部門におけるチーム医療 ~患者中心の輸血医療を目指して~

4)講演・講義他

平成27年度日本臨床衛生検査技師会認定認知症領域検査技師 第1回認定指定講習会(2月20-21日、東京)

高村好実:認定認知症関連生理検査2 -MRI検査を中心に-

平成28年度日臨技中四国支部輸血伝達講習会(7月16日、松山)

宇都宮佳代:輸血検査の初級者への指導と指導技術の標準化に向けて

愛媛県臨床検査技師会 新人研修会(7月30日、松山)

高村好実:臨床検査技師の役目と関わり方

愛媛県臨床検査技師会 次世代リーダー研修会(10月22日、松山)

高村好実:“イノベーター”を育てるプロローグ ~MBBから考える~

愛媛県糖尿病対策推進会議 市民公開講座(10月23日、宇和島)

西本幸恵:見直してみませんか、あなたの検査値