血液疾患領域での悪性腫瘍性疾患

慢性骨髄性白血病とは

血液の癌です。この病気は骨髄の中で血液のもとの細胞である造血幹細胞に異常が起こり、骨髄中に白血球が増加して末梢血液中に芽球と呼ばれる細胞が増加します。慢性骨髄性白血病は比較的進行がゆっくりしています。病気の進行度により慢性期、移行期、急性転化期に分けられます。慢性期には自覚症状がないことが多く、健康診断などで偶然発見されることもあります。原因は不明であり、すべての年齢層に発症します。わが国における頻度は10万人に1~2人と比較的まれで、成人における白血病全体の約20%を占めます。

病期

  • 慢性期・・・白血球が増加しているが芽球が少ない状態、症状はない事が多い。
  • 移行期・・・芽球が増加している状態。治療が効きにくい。
  • 急性転化期・・・急性白血病のようになる。治療困難。

治療法及び副作用

慢性骨髄性白血病は放置しておくと上記の様に病期が進行する為に発見された時点で治療が必要になります。この病気の人の95%以上でフィラデルフィア染色体をもっており、これが原因遺伝子と同定されています。2000年になりグリベック(イマチニブ)という慢性骨髄性白血病の原因遺伝子に作用する薬が販売されました。この薬剤により、不治の病から5年生存率90%の病になりました。さらに最近では、スプリセル、タシグナと言うグリベックが効きにくい人にも効果が期待できる薬剤が開発されました。また初回治療においてもこの2つの薬剤はグリベックを上回る有効性が報告され、第一選択として使用できるようにもなりました。それぞれの薬剤に異なる副作用や服用法の違いがあり、患者様のライフスタイルや身体状況よって適切な薬剤を選択します。