薬局

1.薬局について

薬局では、調剤、医薬品の供給、適切な医薬品情報の提供などの薬剤師業務を薬剤師19名(うち1名は感染管理部専従)、事務員2名(治験事務局兼務)、パート5名(業務補助)で、調剤・製剤業務をはじめ、抗がん薬調製、薬剤管理指導業務、医薬品情報業務、TDM(解析)、治験事務局運営と多岐に渡って業務を行っています。

24時間、365日薬剤師が病院内に常駐し、入院患者様のみならず、外来や救急外来の患者様にも対応をしています。

専門・認定薬剤師を取得している薬剤師も所属しており、NST、ICT、緩和ケア、糖尿病などチーム医療にも積極的に参加し、薬の専門家として“力”を発揮しています。

病棟の服薬指導や退院指導を担当している薬剤師はiPadを持って病棟に出向き、患者様をはじめ、医師・看護師からの医薬品に対する質問・問題等に対応しています。

また、昨年より臨床研究、臨床研修、教育に関する情報を統括、職員の研究意識を向上するため、アカデミックセンター部門が新たに設立され、そのなかで治験、臨床研究の事務業務を行う責任者として、副センター長を拝命しました。

令和5年5月1日
薬局長兼アカデミックセンター副センター長
竹内 信人

業務内容

1) 調剤業務

調剤業務の写真

電子カルテによるオーダーリングシステムを使用し、外来患者様については、原則院外処方せんを発行しています。

入院患者様については、医師から処方の指示が出ると薬局に処方せんが発行され、患者様の必要な時期に合わせて医薬品を調剤しています。

また、必要に応じて検査値等を確認し、医薬品の適正使用を心がけています。

昨年度より一包化錠剤鑑査支援装置 TabSight®を導入し、鑑査の正確性と効率化を図りました。

2) 注射薬業務

注射業務の写真

電子カルテによるオーダーリングシステムを使用し、医師から処方の指示が出ると薬局に注射処方箋が発行され、患者様の必要な時期に合わせて医薬品を調剤しています。

当院では1患者1トレイ、1施用ごとの袋詰めをして病棟へ払い出しています。

また、必要に応じて検査値等を確認し、医薬品の適正使用を心がけています。

3) 医薬品情報管理業務

医薬品情報管理業務の写真

医薬品情報管理室には、常時1名以上の薬剤師が常駐しており、医師・看護師をはじめとする院内の各部署からの問い合わせに対応しています。

対応した内容は、AI-Pharmaに記録し、薬剤師全員で情報共有をしています。

医薬品情報は院内LAN上に掲載し、情報提供を行っています。

また、保険調剤薬局からの地域医療支援システム「きさいやネット」に対する問い合わせ窓口にもなっています。

4) 医薬品管理業務

医薬品管理業務の写真

薬局をはじめ、各科外来・各病棟の在庫管理を行い、適正在庫に努めています。

また、災害に備え、院内在庫とは別に災害在庫を備えています。

5) 製剤業務

クリーンベンチを備えたクリーンルームでは院内製剤(心保護液、点眼液など)を調製しています。

抗がん薬は完全外部排気型の安全キャビネットを備えた抗がん薬調製室で調製しています。

当院では、全ての抗がん薬(アンプル製剤など一部除く)の調製には、Phaseal®やケモセーフといった閉鎖式接続器具を使用して調製を行い、調製者・施用者に対する抗がん薬の曝露対策を心がけています。

また、調製後はオゾン水を使用して輸液バッグ等に付着している抗がん薬の不活化を行ってから、外来化学療法室や病棟へ払い出します。

6) 薬剤管理指導業務

全ての病棟に薬剤師を配置し、入院中にはベッドサイドにて、患者様やご家族の方に対し、服用している薬の働きや副作用、注意すべきことなどを説明します。入院時には患者様が入院前に服用されている薬の確認(持参薬管理)を行います。昨年度より持参薬鑑別支援装置 TabJudge®を導入し、より正確に持参薬を鑑別できるようにしました。

また、退院時にも必ず薬剤師が出向き、退院後の服薬管理に関する説明を行った上で、お薬手帳に服用している薬のシールを貼り、他の医療機関への情報提供を行っています。

転院時には、病棟担当薬剤師が転院先の医療スタッフ向けに服用薬に関する情報提供書を作成し、転院先でも適切な薬物治療を継続できるように情報提供を行っています。

7) 治験事務局

治験事務局の写真

院内で行われている治験・臨床研究等を円滑に進めていくために、外部CRCと共に業務を行っています。

また、医薬品メーカーからの市販後使用成績調査等の契約窓口業務も行っています。

8) 実務実習(薬学生)

実務実習(薬学生)の写真

当院は、実務実習受け入れ施設となっています。

令和4年度は、Ⅱ期:1名、Ⅲ期:2名、Ⅳ期:1名の薬学生を受け入れました。

松山大学をはじめ、摂南大学、徳島文理大学、神戸薬科大学、広島国際大学など四国・中国・関西からふるさと実習を受け入れています。

今年度より正光会宇和島病院と協力して、薬剤師育成に努めていきます。

9) その他の活動

  1. 宇和島看護専門学校の講師(薬理学担当)
  2. 宇和島市、鬼北町の学校薬剤師
  3. 宇和島市内の中学生を対象としたインターンシップ受け入れ
  4. DMAT活動

10) キャリアラダー

薬局独自に作成したキャリアラダーに基づいて、新人教育を行っています。

新人には1名に対し、教育係1名を配置し、業務マニュアルに基づいて、調剤を中心に、6ヶ月後には日当直の業務が1人でこなせるように指導をします。その後は、病棟業務、抗がん薬調製と徐々に業務を増やしていきます。

2~5年後には日本薬学会・日本薬剤師会・日本病院薬剤師会中国四国支部学術大会で発表を行います。

5年以降はチーム医療に参加しつつ、自分の得意分野を固め、必要に応じて認定・専門薬剤師の取得を目指します。

~6ヶ⽉ 7ヶ⽉~1年 2~5年 6~10年
  • 調剤、注射払い出し等セントラル業務の⼿順を理解する
  • 医薬品の適正使⽤を理解する
  • ⽇直、夜勤等の当番業務ができる
  • 薬局の業務を理解する
  • 上司に報告、連絡、相談ができる
  • 各種勉強会へ参加する
  • 医薬品の流れを理解する
  • 病棟業務または抗がん薬関連業務を習得する
  • 看護学校で講義または学校薬剤師の業務ができる
  • 新⼈教育を⾏う
  • 学会での発表を⾏う
  • 実習⽣の指導を⾏う
  • ジェネラリストとして業務ができる
  • リーダーとして様々な業務を管理する
  • 認定薬剤師の資格を取得する
  • 業務改善に取り組み、提案する
  • チーム医療に参加し、多職種と連携ができる
  • 将来の⽅向性を決め専⾨分野へ進む
取得資格 人員
日本静脈経腸栄養学会認定栄養サポートチーム(NST)専門療法士 2名
日本糖尿病療養指導士 1名
漢方薬・生薬認定薬剤師 1名
日本アンチ・ドーピング機構公認スポーツファーマシスト 1名
認定実務実習指導薬剤師 3名
日本病院薬剤師会薬学認定薬剤師 7名
DMAT隊員 1名

令和5年5月1日現在

2.施設見学

興味がある方は、いつでも見学することができます。

見学希望の方は、薬局(TEL:0895-25-1111)までご連絡ください。

また、ZOOMを使用したオンライン説明会も実施可能です。

たくさんの応募、お待ちしております。

3.薬剤師募集

4.業務の総括

2021(令和3)年の6年制薬学教育の薬学生(5年次)の実務実習として、第2期(5月24日~8月8日):2名、第3期(8月23日~11月5日):2名を受け入れました。

年間目標としていた薬剤管理指導件数月600件については、今年も新型コロナウイルス感染症の影響もあり、月576件とわずかに目標に達しませんでした。

後発医薬品については、79.78%とわずかに目標に達しませんでした。

令和4年年間目標

テーマ

  1. 病棟業務の充実
  2. 注射用抗がん剤の調製・混合

達成目標

  1. 薬剤管理指導件数:570件
  2. 後発医薬品の使用推進:80%

5.業務実績

令和3年 処方箋枚数

  外来処方箋(院外) 外来処方箋(院内) 入院処方箋
1月 7,852 296 4,932
2月 7,455 293 4,658
3月 9,106 317 5,142
4月 8,261 361 5,215
5月 7,445 379 4,430
6月 8,335 362 4,537
7月 8,258 464 4,657
8月 8,356 488 5,016
9月 8,295 404 4,606
10月 8,065 354 4,802
11月 8,005 404 5,330
12月 8,200 367 5,069
合計 97,633 4,489 58,394

令和3年 注射箋枚数

  外来注射 入院注射
1月 1,211 8,515
2月 1,219 8,362
3月 1,440 8,739
4月 1,301 8,940
5月 1,148 8,176
6月 1,240 7,608
7月 1,254 8,585
8月 1,351 8,400
9月 1,276 8,525
10月 1,243 8,654
11月 1,220 9,485
12月 1,229 9,071
合計 15,132 103,060

令和3年 薬剤管理指導業務実施状況

  請求(件)
  薬剤管理指導料1 薬剤管理指導料2 麻薬加算 退院時加算
1月 157件 382件 4件 483件
2月 143件 430件 4件 524件
3月 134件 519件 7件 603件
4月 128件 462件 5件 552件
5月 95件 342件 4件 407件
6月 151件 415件 4件 505件
7月 117件 407件 4件 486件
8月 147件 517件 2件 602件
9月 123件 460件 4件 534件
10月 105件 468件 4件 526件
11月 156件 427件 4件 525件
12月 159件 477件 4件 578件
合計 1,615件 5,306件 50件 6,325件

令和3年 抗がん剤調製件数

  外来 入院
1月 310 174
2月 291 91
3月 392 102
4月 288 107
5月 257 104
6月 286 131
7月 266 152
8月 326 141
9月 291 150
10月 275 138
11月 284 141
12月 267 116
合計 3,533 1,547

令和3年 持参薬調査件数

1月 661
2月 638
3月 726
4月 618
5月 557
6月 583
7月 600
8月 645
9月 642
10月 640
11月 703
12月 617
合計 7,630
 
▼医療関係者向け情報▼

6.学術的業績

1)座長

愛媛県病院薬剤師会南予支部薬学セミナー(3月27日、宇和島)

竹内信人:他力本願チーム医療で癌患者の予後は改善?!
~薬剤師による薬物療法の有害事象対策~

愛媛県病院薬剤師会南予支部薬学セミナー(5月29日、宇和島)

竹内信人:腎癌の治療

愛媛県病院薬剤師会南予支部薬学セミナー(6月12日、宇和島)

竹内信人:薬剤師チーム力!抗がん薬治療への医療機関と薬局の連携について

愛媛県病院薬剤師会南予支部薬学セミナー(9月11日、宇和島)

竹内信人:妊婦・授乳婦の薬物療法~薬剤師の立場から考える情報評価とカウンセリング~

愛媛県病院薬剤師会南予支部薬学セミナー(10月9日、宇和島)

竹内信人:保存期CKDの合併症とその管理

愛媛県病院薬剤師会南予支部薬学セミナー(12月11日、宇和島)

竹内信人:薬剤師を取り巻く医療制度と診療報酬改定の動向について