南予医学雑誌20巻
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-80-南予医誌 Vol.20 No. 1 2020 2019年11月16,17日の2日間にわたり、東京都清瀬市の国立看護大学校にて行われた2019年度 第5回 がんのリハビリテーション研修に参加する機会を得ました。これは一般財団法人ライフ・プランニングセンターが厚生労働省の後援を得て行っているもので、年間7回ほど開催されています。がん患者リハビリテーション料算定のための施設認定を得るためにはこの研修に参加することが必須となっており1)、リハビリテーションに関するチーム医療の観点から、同一医療機関から医師1名以上、病棟においてがん患者のケアに当たる看護師1名以上、リハビリテーションを担当する理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の内から2名以上を含む計6名までが応募できます。今回当院からは放射線科医師1名、病棟看護師1名、理学療法士1名、作業療法士1名の計4名が参加しました。全体では28施設、159名が参加していました。写真1は今回当院から研修に参加した面々です。私はリハビリテーションについては全くの門外漢ですが、放射線治療医としてがん患者と多く関わること、また、化学療法や放射線治療を受けるがん患者への積極的なリハビリテーションの重要福 井  聡市立宇和島病院 放射線科 がんのリハビリテーション研修会に参加して南予だより性が認識されつつあること、がんリハビリテーションという言葉が目新しく、その内容に興味をひかれたことなどから参加させていただくこととなりました。 研修の内容も細かく決められており、14時間程度でがんのリハビリテーションの概要、周術期リハビリテーション、化学療法・放射線治療中/治療後のリハビリテーション、がん患者の摂食・嚥下・コミュニケーションの障害に対するリハビリテーション、がんやがん治療に伴う合併症とリハビリテーション、進行がん患者に対するリハビリテーションなどについての講義の他、グループワークや実際のリハビリテーションにかかわる手技についての実技等を行うこととされています。2日間にて14時間、上記の幅広い領域の講義及びグループワークを行うわけで、なかなかにハードな研修会でした。 さて、私にとってがんのリハビリテーションという言葉が目新しいと述べましたが、今回の研修に参加したことは大変に有意義であり、その現状や問題点について認識を新たにすることが出来ましたので、その一端を紹介したいと思います。 ご存じの通り、昨今のがんは早期診断や

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