南予医学雑誌20巻
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-66-南予医誌 Vol.20 No. 1 2020 症例は70歳代の女性。咽頭痛と悪心を主訴に受診した。上部消化管内視鏡検査を施行し、胃前庭部大弯に10mm大の乳頭状隆起を認め、中央部はさらに隆起していた。中央の隆起から生検を行うと腺癌を疑う所見を認め、外科手術を行った。術後の病理所見で神経内分泌腫瘍と診断した。術後3年目の造影CTで胃吻合部下付近に45mm大の腫瘤性病変および肝内に複数の腫瘤を認めた。PET-CTやソマトスタチン受容体シンチグラフィーでも同部位に集積し、神経内分泌腫瘍の再発が疑われた。胃吻合部下の腫瘤に対して超音波内視鏡下穿刺吸引法で生検し、神経内分泌腫瘍と診断した。その後はソマトスタチンアナログ製剤を投与している。受稿日 令和1年11月25日受理日 令和1年11月27日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1-1市立宇和島病院 消化器内科 矢野 怜1)市立宇和島病院 消化器内科2)同外科3)同臨床検査科4)同病理診断科要    旨Key Words:胃神経内分泌腫瘍、超音波内視鏡下穿刺吸引法、ソマトスタチン受容体シンチグラフィー矢 野   怜1),大 野 芳 敬1),岡 田 正 也1),奥 嶋 優 介1),沼 田 結 希1),上 杉 和 寛1),多 田 藤 政1),梶 原 伸 介2),中 西   護3),松 影 昭 一4)術後3年目に再発をきたした10mm以下の胃神経内分泌腫瘍の1例症 例 報 告

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