南予医学雑誌20巻
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-40-南予医誌 Vol.20 No. 1 2020(図1)初診時咽頭所見(図2)頸部造影CT検査前口蓋弓から後口蓋弓、口蓋扁桃にかけて乳白班を認める。両側深頸部に累々と腫大したリンパ節(矢印)を認める。 梅毒は、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum;以下Tp)を病原体とする全身性の慢性特異的炎症性疾患で、緩徐に進行し皮膚や粘膜、ときに臓器に病変を生じる。臨床所見から皮膚・粘膜や臓器に病変がある場合の顕性梅毒と、梅毒血清考   察反応は陽性であるが症状や病変を欠く無症候梅毒(潜伏梅毒ともいう)に分けられる。また、感染経路から胎児期に経胎盤感染する先天性梅毒と、経胎盤以外の経路で感染する後天梅毒に分けられる1)。 進行分類としては4期に分けられ、第1期は感染後3週程度で感染局所に硬結を生じる。これが初期硬結でありその後、

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