南予医学雑誌20巻
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-27-南予医誌 Vol.20 No. 1 2020 化学療法起因性末梢神経障害(Chemotherapy-induced peripheral neuropathy;CIPN)は頻度の高い合併症であり、Seretnyによるメタ解析の報告では化学療法終了後1ヶ月以内のCIPNの頻度は68%、6ヶ月後でも30%と報告されている5)。パクリタキセルは微小管考   察(図3)グローブ圧迫の有無による末梢神経障害出現時期(図4)手と足の末梢神経障害の程度の差への作用で細胞障害性を発揮するが、末梢神経の軸索において微小管の重合を阻害することで軸索障害が発症するとされ、臨床的には四肢末端から始まるglove and stocking型の感覚障害を呈することが多い6) CIPNに対する冷却療法や圧迫療法の有効性を検討する臨床試験が行われ有用性が認められているが、これらの報告にお

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