南予医学雑誌20巻
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 がん化学療法には様々な有害事象があるが、支持療法の進歩によりある程度対処可能となってきた。しかしながら末梢神経障害に対しては、有効な予防方法や治療法が確立されておらず患者の苦痛となっている。そのなかで化学療法中に手足への薬剤暴露を抑制する圧迫療法は末梢神経障害の予防に有用性が示唆されている。我々はコスト面などからより簡便な方法としてニトリル手袋を一重で両側の手足に着用した圧迫療法を試みた。その結果、有意に末梢神経障害の発症を抑制することができたため報告する。受稿日 令和1年10月15日受理日 令和1年10月24日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1-1市立宇和島病院 外科 岡田憲三1 )市立宇和島病院 外科2 )市立宇和島病院 化学療法室要    旨Key Words:圧迫療法、パクリタキセル、末梢神経障害、ニトリル手袋岡 田 憲 三1),竹 内 幸 美2),金 森 三五江2)パクリタキセルによる末梢神経障害に対する簡便なグローブ圧迫療法原   著-24-南予医誌 Vol.20 No. 1 2020

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