南予医学雑誌20巻
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(表6)季節間の気象の比較-14-南予医誌 Vol.20 No. 1 2020(図3)季節別の各疾患群の受診者の割合 本研究では、愛媛大学医学部附属病院の救急外来を受診した症例の疾患と気象の関係を検討した。また、季節ごとの各疾患群の受診者数の割合の違いを調べ、疾患と季節との関連についても検討した。気圧または気圧差では消化器疾患、呼吸器疾患、整形外科疾患、泌尿器科疾患、婦人科疾患、皮膚疾患と比較的多くの疾患群で他疾患群と差を認めた。一方で気温または気温差で他疾患群と差を認めたものとしては消化器疾患、皮膚疾患の2疾患群と少なく、湿度に関しては、あまり考   察疾患特異的に有意な結果を認めなかった。本検討においては、疾患と気圧(もしくは気圧差)との間に特に因果関係がある傾向にあると考えられた。各疾患群における季節間での受診者数の違いを検討したところ、消化器疾患は冬に多く、整形外科疾患は春に多い傾向を認めた。1.気圧と疾患の関係 本研究では、気圧と各疾患群で統計学的に有意差を認めたものが多かった。気圧と病気との関係については、これまでに気圧の変化に伴い全身の痛みの悪化や、喘息、心筋梗塞患者、上部消化管出血の

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