南予医学雑誌20巻
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-9-南予医誌 Vol.20 No. 1 20201.患者背景・検討期間の気象 (表1) 2015年1月から2015年12月に夜間・休日に救急外来受診した症例は1957例であった。このうち、15歳未満の症例 60例と、産科疾患による受診症例 418例は除外した。最終的に1479例の症例で検討した。症例の年齢中央値は63歳で、男性が859人、女性が620人と男性の受診者数が多かった。2.月別、疾患群別の受診者数 (図1) 月別に1日あたりの救急受診者数を算出し図 1に示した。月別の受診者数は1月、5月、9月、12月に多い傾向がみられた。(図1A) また天気別に1日あたりの受診者数を見たところ、晴れの日では、4.3人/日、曇りの日では4.1人/日、雨の日では3.6人/日と雨の日で受診者数が減少している傾向が見られた。 疾患群別の受診者数については、消化器疾患群と心・血管疾患群が圧倒的に多く、患者数はそれぞれ200人を超えていた。次いで、眼・耳鼻・口腔内疾患群や呼吸器疾患群、整形外科疾患群、神経・脳疾患群が多い傾向であった。(図 1B)結   果3.各疾患群における気象の検討(図2、表2-5) 図.2に各疾患群別の気象のデータを示した。また表. 2-5に、各疾患群と、対象疾患非該当群との気象の比較を示した。消化器疾患群は他疾患群と比較して気圧と気温において統計学的な有意差があり、呼吸器疾患群は気圧差において有意差を認めた。また、整形外科疾患群は気圧と気圧差において有意差を認めた。泌尿器疾患群と婦人科疾患群では気圧差において有意差があり、皮膚科疾患群では気圧と気温において有意差を認めた。天気、湿度、湿度差の比較においてはいずれの疾患群においても、明らかな有意差は認めなかった。4.季節別の気象の違いと受診疾患群の違い (表6、図3) 気圧、気温、湿度においては4つの季節で有意な違いを認めた(いずれもP < 0.001)。季節間での疾患群の割合を比較したところ、消化器疾患群と整形外科疾患群において有意な違いを認めた(いずれもP < 0.05)。消化器疾患群は冬に多く、夏に少ない傾向であり、整形外科疾患群は春に多い傾向を認めた。

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