南予医学雑誌19巻
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井上:宇和島地区在宅緩和ケア推進モデル事業について南予医誌 Vol.19 No. 1 2019-7-の疾患にも拡大している。診断,治療,在宅医療など様々な場面で切れ目なく緩和ケアが実施されるためには,院内の緩和ケア体制整備だけではなく,早期からの院外との多職種連携・在宅支援は重要である。宇和島地域は,緩和ケア病棟がなく,地域医療を担う在宅支援診療所や訪問看護ステーションの数や機能にも地域差がある。高齢化率も高く,家族の介護力や苦痛症状によっては,患者が最期まで家で過ごしたいと希望しても,自宅で対応できない場合もある。しかし,地域の医療・介護・福祉関係者が,問題や課題に真摯に向き合い,一つ一つ調整・対応することは,個の課題を地域の課題として発展することにつながり,地域に合った緩和ケア体制整備に寄与すると考える。今後も,宇和島地区在宅緩和ケア推進モデル事業運営委員の方々とともに宇和島地区モデル事業を通して,「切れ目のない緩和ケアが提供できる」地域づくりの礎を築いていきたい。引用文献1)  厚生労働省:がん対策基本計画(第3期)https://www.mhlw.go.jp/le/04-Houdouhappyou-10901000-Kenkou-kyoku-Soumuka/0000196969.pdf2)  厚生労働省:平成29年度人生の最終段階における医療に関する意識調査結果(確定版)https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Is-eikyoku-Soumuka/0000200749.pdfPromotion project of home palliative care in Uwajima areaSachiko INOUEDepartment of Nursing Uwajima City HospitalGoten-machi, Uwajima, Ehime 798-8510, Japan

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