南予医学雑誌19巻
83/92

情家:なんよだより南予医誌 Vol.19 No. 1 2019-81-くく,雨や泥により電話本体が故障する事例も起きた。この問題に関しては,後日チャック付きのポリ袋が有用であることが判明し,現在使用している団員も多い。 巡回の結果,土砂崩れや住宅への浸水が数カ所で確認された。その中でも特に被害の大きな地域では,河川の氾濫により道路が寸断され,土砂崩れを起こしている斜面を通らないと辿り着くことができない民家もあった(図4,5)。 私たちは被害状況を部長に報告し,住民の方たちに避難の呼びかけを行った。しかし,避難に応じない方が多くおり,しかも豪雨の中,自宅の敷地内に流れ込んだ土砂の撤去作業をする方もいた。このことに私たちは大変困惑した。 午前7時,宇和島市全域に避難勧告が発令された。 雨は降り続き,「バキバキ」と雷の様な音とともに目の前で土砂崩れが発生した。冠水域も一瞬にして広がり,被害は拡大していった(図6)。私たちは避難の呼びかけや避難支援のために巡回を続けた。 そんな中,午前7時30分,吉田浄水場が土砂崩れにより壊滅的な被害を受けたとの連絡が入った(図7)。(図5) 避難の呼びかけを行う団員(図4) 河川が氾濫し寸断された道路(図7) 被災した吉田浄水場(図6) 土砂崩れにより拡大する冠水域

元のページ  ../index.html#83

このブックを見る