南予医学雑誌19巻
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南予医誌 Vol.19 No. 1 2019-80-私はその後も自宅待機を継続した。 雨はますます激しさを増していき,窓を閉め切っていても雨音をうるさいと感じるようになった。そして午前5時11分,我々団員にも招集指示が出た。 私は自宅の安全を確認し出動した。外は非常に激しい雨量であり,直ぐに危険な状態であることが判断できた。後日,この頃に1時間当たり100mmの降水量があり,記録的短時間大雨情報が発表されたことを知った。吉田町では過去の事例から3時間当たり70mmの降水量で河川が氾濫する箇所があることからも,この時の雨量が如何に激しいものであったか想像できると思う。 詰所に集合しミーティングを行っている最中も部長の無線機には絶えず連絡が入ってきた。活動中の部からの応援要請や,特に被害の大きな地区からは撤退報告など,すでに各地区かなりの被害がでていることが分かった。私たちも被害状況確認のため巡回に向かった。雨や道路の冠水により消防車を運転することもひと苦労であったが,この時最も苦労したのは部内での情報共有であった。携帯電話を使用するため雨音の影響で着信音や相手の声が聞き取りに止となった吉田町夏祭りについてであった。部長からは「雨の降り始めは深夜からとなり,かなり激しいものが予想される。間違いなく消防団の出動要請があるので連絡が取れるよう自宅待機をお願いします。」との報告を受け解散となった。帰宅する頃には雨は降っていたが,まだ激しいものではなかった。7月7日 雨は徐々に強まり,午前2時51分,各部部長への召集指示が出た。部長から「出動に備えておくように。」との連絡が入り,(図2) 宇和島市消防団 組織図(図3) 消防団 詰所

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