南予医学雑誌19巻
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南予医誌 Vol.19 No. 1 2019-56-脾臓容積について,海外ではGeraghtyら13)は男性238.4±69.7cc,女性179.8±66.2ccとし,Prassopoulosら14)が214.6ccとしている。一方で,日本人では平均120cc前後の報告が多く,脾臓容積は性別や年齢よりも体重とよく相関するという15)。今回我々は,脾臓容積50ccをカットオフとして,より低形成群と死亡との関連の解析を試みた。症例数も少なく統計学的な有意差は認めなかったが,脾臓容積の低下のみから機能的脾臓機能低下を推測するのは困難かもしれない。一方で,畑ら16)は,脾臓低形成を伴う致死的劇症型肺炎球菌感染症例の剖検において,免疫組織化学的手法により脾臓のマージナルゾーン食細胞の減少を証明し,脾臓における細菌クリアランスの低下による感染防御能の低下を証明した。このように脾臓低形成を認める一(表3)2008~2017年における当院で経験した侵襲性肺炎球菌感染症内訳(表4)脾臓容積と転帰(表5)糖尿病と転帰

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