南予医学雑誌19巻
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田中、他:脾臓低形成を認めた糖尿病合併侵襲性肺炎球菌感染症の症例南予医誌 Vol.19 No. 1 2019-55-(表1)初診時血液検査(表2)2008~2017年における当院で経験した侵襲性肺炎球菌感染症概要と続いた。25例中6例(24%)に死亡を認めた。25例のうち脾臓容積50cc未満が7例(28%),50cc以上が18例(72%)であった。脾臓容積50ccをカットオフとして死亡との関連を調べたが統計学的有意差は認めなかった(P=0.557)(表4)。また,糖尿病合併と死亡との関係にも有意差は認めなかった(P=0.557)(表5)。【考 察】 解剖学的脾臓低形成が発症原因と考察する侵襲性肺炎球菌感染症の症例は数多く報告されている2)-12)。しかし,解剖学的脾臓低形成と脾臓機能低下の関連は確立した知見ではない。今回我々は,脾臓容積をLight Speed Ultra16,Light Speed VCT XT VT2000 1.25mm Ziostation 2 Ver 2.4 3.0を用いて定量化した。脾臓容積は,脾腫の評価にspleen indexなどが用いられているものの,脾臓低形成に関する統計的な報告は少なく明確な基準はない。一般成人の平均

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