南予医学雑誌19巻
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岩森、他:看護師と医師の手術安全チェックリスト使用における実態と意識調査南予医誌 Vol.19 No. 1 2019-49-ンイン81%,タイムアウト75%,サインアウト98%,平均84.6%であった。2) 手術安全チェックリストに関するアンケート調査    アンケート回収率は71.6%。医師:63%(33名),看護師:90%(20名)であった。手術安全チェックリストによる安全確認は適正な時期に行われていると答えた医師は33名100%,看護師は13名65%であった。タイムアウトは手を止めて出来ていると答えた医師は27名81%,看護師は9名45%であり低率であった。手術安全チェックリストの項目別重要度アンケート結果の解析では,サインイン(図1)の場面では,②同意書,⑥アレルギー,⑦SPO2装着,⑩追加ルート,⑪義歯・動揺歯の確認項目において,医師と看護師の重要度認識に有意差を認めた。タイムアウト(図2)の場面では,⑨フットポンプの開始確認のみ有意差を認めた。サインアウト(図3)の場面では有意差は認められなかった。考察 アンケート結果より,医師は手術安全チェックリストによる安全確認が適正な時期に行われ,タイムアウトも手を止めて出来ていると認識しているが,看護師は疑問視していた通り適正にはできていないと認識しており,職種間の認識の違いが表出した。他者評価による実際の状況調査からも,タイムアウトの適正な実施割合は75%であり,他の場面と比較して低率であった。これは器械出し看護師が準備途中であっても,医師の主導でタイムアウトを開始してしまうことがあるため,手は止めているが実際は準備不十分のまま実施していることが原因と考えられる。手術安全チェックリストによる安全確認を実施する際には,外回り看護師がコーディネーターとなり,医師のタイミングで実施するのではなく全員(図1)アンケート結果(サインイン)20%30%40%50%60%70%80%90%100%医師看護師医師看護師医師看護師医師看護師医師看護師医師看護師医師看護師医師看護師医師看護師医師看護師医師看護師①患者氏名②同意書③抗生剤④ルート⑤マーキング⑥アレルギー⑦SPO2装着⑧麻酔器薬剤⑨誤嚥リスク⑩追加ルート⑪義歯動揺歯未記入重要でないあまり重要でないどちらでもないまあまあ重要重要n=医師33名n=看護師20名*:p<0.05**

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