南予医学雑誌19巻
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南予医誌 Vol.19 No. 1 2019-28-  鼻骨骨折における超音波検査の有用性   原  著受稿日 平成30年10月5日受理日 平成30年10月23日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1-1 市立宇和島病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 専攻医 岩田 真治 岩 田 真 治1),勢 井 洋 史2),林   祐 志1), 青 石 邦 秀1),吉 田   正1) 1)市立宇和島病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 2)愛媛大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科要   旨 鼻骨骨折は顔面骨骨折のうち最も頻度の高いものであり,日常診療及び救急外来でよく遭遇する疾患の一つである。骨折による偏位が強く審美面に支障をきたす場合や鼻閉など機能的障害をきたす場合には整復が必要である。一般的に行われている非観血的整復術は視診や触診といった術者の主観的評価に頼っていたが,近年超音波検査(以下エコーと略)を使用することで客観的に評価することができ手術の成功率及び整復後の患者満足度が向上したとの報告がある1)。今回我々はエコーを用いた鼻骨骨折徒手整復術を施行した11症例の全例で患者の高い満足度を得た。エコーは整復の成否を考慮する一つのmodalityとして有用であり,今後さらなる活用が望まれる。 (南予医誌 2019;19:28-35.)Key words:鼻骨骨折,超音波検査,徒手整復術

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