南予医学雑誌19巻
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南予医誌 Vol.19 No. 1 2019-26-については十分な注意が必要と考える2)。 Dダイマーは二次線溶の指標として,深部静脈血栓症 (deep vein thrombosis:DVT)や肺血栓塞栓症 (pulmonary throm-boembolism:PTE)の除外診断の指標に用いられているため,低値の正確性と広い測定範囲が求められる。 これらFDP,Dダイマーは救急診療においても重要な役割を担っており,24時間測定ができる検査室が望まれ,汎用性が高く安定した測定値が期待できるファクターオート試薬は運用と臨床の両面に貢献できる試薬と考える。 本検討は当院臨床研究委員会の承認を得て実施した (承認番号1510-83)。 本稿における利益相反はありません。 参考文献1)  和田英夫,野間桂.第一,第二,第三世代のDIC診断基準.臨床病理レビュー特集 2013;147:25-30.2)  内場光浩.FDPとDダイマー.臨床検査2016;60:144-50.3)  曲泰男,伊東盛夫,糸賀敬.Fibrino-gen,Fibrin誘導体測定の意義.臨床血液 1986;27:1992-2007.4)  水永正一,田川勝弘,犀川哲典.初期~後期フィブリン分解産物を均等に定量できるファクターオートDダイマー測定試薬の基礎的検討.医学と薬学2016;56(3):431-6.5)  奥田優子,加藤弘子,村上栄一,他.2社のFDP,Dダイマー試薬による性能評価およびFDP,Dダイマー測定値の逆転現象に関する検討.医学検査 2006;55(9):1003-9.6)  吉田忠夫,吉甲正明,井上徹也.新しいDダイマーラテックス試薬「リアスオート・Dダイマーネオ」の基礎的検討.医学と薬学 2005;54:219-22.7)  村上真澄,内藤澄悦,吉田美香,他.市販血漿FDP試薬のFDP分画に対する反応特性について.日本検査血液学会雑誌 2014;15(1):37-43.8)  曲泰男,水永正一,伊東盛夫,他.過凝固状態検出のための分子マーカー.臨床病理 1994;42:22-33.9)  Shibata T,Magari Y,Kamberi P,et al.Significance of urinary fibrin/fibrinogen degradation products(FDP)D-dimer measured by a new monoclonal antibody(D-D E72)in various renal diseases.Clin Nephrol   1995;44:91-5.10)  Budzynski AZ,Vaughan VJ,Parker ME,et al.antigenic makers on fragment DD,a unique plasmic de-rivative of human crosslinked brin.Blood 1979;54:794-804.11)  Francis CW,Marder VJ,Martin SE.Plasmic degradation of crosslinked -brin.I.structural analysis of the par-ticulate clot and identification of new macromolecular-soluble complexes.Blood 1980;56:456-64.12)  奥田優子,大須賀裕至,氏家真二,他.ファクターオートP-FDPおよびDダイマー測定試薬の性能評価.機器・試薬 2013;36(1):93-101.

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