南予医学雑誌19巻
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大下、他:全自動血液凝固測定装置CS-2500におけるファクターオートP-FDP,Dダイマー試薬の基礎的検討およびFDP,Dダイマー測定値逆転現象の解析南予医誌 Vol.19 No. 1 2019-25-(図8)D分画を多く含む検体の    ウエスタンブロット解析(図9)患者検体のウエスタンブロット解析ず,Dダイマーは低分子化するにつれて反応性は低下しており,各社試薬の特性を理解したうえで測定結果の解釈が必要である。実際に対照試薬でFDP、Dダイマー測定値逆転現象を認めた試料にはD分画が多く含まれ, 検討試薬は各分画にほぼ均一に反応するためD分画を測定でき,それに対して対照試薬のFDPはD分画にほとんど反応せず低値傾向であったためFDP値よりもDダイマー値が大きくなる逆転現象を生じたと考える。今後は統一された標準物質の確立が望まれ,各分子種に対してほぼ均一に反応するファクターオート試薬が標準化への一助となることが期待される。 FDPはDICの診断に必須でありDダイマー値を一定の比率でFDP値に換算する表も存在するが,今回の症例のように実測値との差を認めることも多く,換算表の使用

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