南予医学雑誌19巻
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大下、他:全自動血液凝固測定装置CS-2500におけるファクターオートP-FDP,Dダイマー試薬の基礎的検討およびFDP,Dダイマー測定値逆転現象の解析南予医誌 Vol.19 No. 1 2019-19-4. 方法および結果 再現性は低濃度と中濃度の試料を10回連続測定し,同時再現性の変動係数 (Coef-cient of variation:CV)はFDPが1.17~2.71%,Dダイマーが1.27~1.46%であった。また,同試料を小分けにして凍結保存し,その都度溶解した試料を10日間測定したときの日差再現性のCVはFDPが3.06~3.75%,Dダイマーが1.44~2.38%であった(表2)。 希釈直線性はFDP濃度108.5μg/mLとDダイマー濃度77.2μg/mLの試料を検体希釈液で倍々希釈を行い試料濃度100%,50%,25%,12.5%,6.25%,3.13%,0%の希釈系列を作製し測定した。FDPはそれぞれ109.5μg/mL,50.0μg/mL,24.9μg/mL,13.7μg/mL,7.3μg/mL,3.6μg/mL,0.0μg/mL,回帰式はy=108.08x-0.54であっ(表2)再現性同時再現性FDPDダイマー試料1試料2試料1試料2N10101010(/)Mean(μg/mL)7.025.64.120.4SD0.190.300.060.26CV(%)271117146127CV(%)2.711.171.461.27日差再現性FDPDダイマFDPDダイマー試料1試料2試料1試料2N10101010N10101010Mean(μg/mL)7.229.44.219.5SD0.270.900.100.28CV(%)3.753.062.381.44た。Dダイマーはそれぞれ75.0μg/mL,36.2μg/mL,19.9μg/mL,10.3μg/mL,4.6 μg/mL,2.5μg/mL,0.0 μg/mL,回帰式はy=74.38x+0.30であった(図1)。 プロゾーン現象の確認はFDP濃度779.4μg/mL,Dダイマー濃度550.0μg/mLの高濃度試料を倍々希釈測定しプロゾーン現象と分析装置のプロゾーンチェック機能を確認した。FDPは336.4μg/mL付近までプロゾーン現象は認められず,理論値2338.2μg/mL付近まで自動プロゾーンチェックが機能していた。Dダイマーは226.4μg/mL付近までプロゾーン現象は認められず,理論値1650.0μg/mL付近まで自動プロゾーンチェックが機能していた(図2)。 最低検出感度は最低検出感度用サンプルを8回測定し,2SD法で測定値から算出された最低検出感度はFDPが1.1μg/mL,Dダイ

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