南予医学雑誌19巻
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南予医誌 Vol.19 No. 1 2019-17-  全自動血液凝固測定装置CS-2500におけるファクターオートP-FDP,Dダイマー試薬の基礎的検討およびFDP,Dダイマー測定値逆転現象の解析   原  著受稿日 平成30年7月31日受理日 平成30年10月9日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1番1号 市立宇和島病院臨床検査科 大下 時廣 大 下 時 廣1),吉 良 美 玖1),中 平 さやか1), 魚 住 重吏子1),赤 松 金 平2),西 本 幸 恵1) 1)市立宇和島病院臨床検査科 2)市立宇和島病院感染管理部 要   旨 現在FDPおよびDダイマーは多くの施設で検査が実施されている線溶系マーカーである。しかし標準化されておらず,多種多様な分子種の存在や各社抗体の抗原認識部位,反応性が異なり,測定値には試薬メーカー間差がみられる。自動血液凝固分析装置CS-2500におけるファクターオートP-FDP,Dダイマー試薬 (キューメイ研究所)の基礎的検討結果と対照試薬との相関性は良好であり,各分子種に対してほぼ均一に反応した。対照試薬はD分画が出現していた血漿検体でFDPとDダイマーの逆転現象が生じた。これら測定試薬の特性を理解したうえで測定値の解釈が必要であり,ファクターオート試薬は運用と臨床に貢献でき,更には標準化への一助となることが期待される。 (南予医誌 2019;19:17-27.)Key words:FDP,Dダイマー,線溶系マーカー,標準化

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