南予医学雑誌19巻
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南予医誌 Vol.19 No. 1 2019-8- 八幡浜・大洲圏域における医療施設勤務職員の 大災害時勤務交流に関する意識調査   原  著受稿日 平成30年3月26日受理日 平成30年8月10日連絡先 〒796-8502 愛媛県八幡浜市大平1-638 市立八幡浜総合病院救急部 越智元郎 越 智 元 郎1),川 口 久 美2),石 見 久 美2), 山 本 尚 美2),叶   恵 美2) 1)市立八幡浜総合病院麻酔科・救急部 2)市立八幡浜総合病院看護部・救急部要   旨 大災害時に通勤困難となる職員が自宅近くあるいは通勤途上の他施設で活動する「勤務交流」に関して,地域医療施設の長および職員に対し意識調査を行った。 方法:八幡浜・大洲圏域の17の有床医療施設の長に質問票を送付し,災害時に職員が他施設で活動することと他施設職員が自施設で活動することの可否について質問した。また,他施設勤務に前向きな職員数について調査を依頼した。 結果:17施設中9施設(52.9%)が大災害時に他施設での活動を許容し,10施設(58.8%)が他施設職員を受け入れると回答した。また,11施設中の合計287人の職員が災害時他施設での活動可と答えた。 災害時勤務交流に理解を示す施設長が過半数を占め,また勤務交流に応じる職員も多数とみられた。今後高い確率で発生しうる南海地震おいて通勤困難は必発とみられ,その打開策として,圏域内での大災害時勤務交流の制度化に向け協議していきたい。 (南予医誌 2019;19:8-16.) Key words:大災害時人員確保,地域内勤務交流,通勤困難

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