南予医学雑誌 第18巻
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南予医誌 Vol.18 No. 1 2017-68- 著明な全身浮腫で発症した血管内大細胞型B細胞 リンパ腫   症例報告受稿日 平成29年10月10日受理日 平成29年10月17日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1-1 市立宇和島病院 研修医 小倉 史也 小 倉 史 也1),鹿 田 久 治2), 中 西 英 元2),金 子 政 彦2) 1)市立宇和島病院 臨床研修センター 2)市立宇和島病院 血液内科要   旨 血管内大細胞型B細胞リンパ腫(Intravascular large B-cell lymphoma;IVLBCL)は血管内での腫瘍細胞の増殖を特徴とする悪性リンパ腫の一型である。多彩な症状を呈し診断に苦慮することが多い。今回我々は全身浮腫と体重増加という悪性疾患としては非典型的な初発症状で発症したIVLBCLを経験したので報告する。 症例は82歳男性。急激な体重増加と全身浮腫、および息切れを自覚し症状が改善しないため当科を受診。CTでは皮下脂肪織濃度上昇以外の異常は指摘されなかったが、血液検査にて血小板減少、LDH上昇、可溶性IL-2受容体高値を認めた。骨髄生検で血球貪食像を認め、ランダム皮膚生検で小血管内にCD20陽性の大型のリンパ系細胞を認めIVLBCLと診断した。化学療法を6コース施行し現在まで完全寛解を維持している。 (南予医誌 2017;18:68-74.)Key Words:血管内大細胞型B細胞リンパ腫(IVLBCL),全身浮腫

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