南予医学雑誌 第18巻
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渡部、他:宇和島の自殺対策南予医誌 Vol.18 No. 1 2017-5-中段階では,ソーシャルサポートの有無や,本人の援助希求行動の有無が重要な役割を演じる。そして,自殺時には90%近くの人がうつ病を始めとする精神科診断のつく状態になっていたという事実から,プロセスの最終段階では,精神的変調が重要な役割を演じると考えられる。しかし,精神科医療だけで自殺予防を完結させることは難しく,「精神科医に任せたから,もう安心」という認識は改められる必要がある。多職種や社会資源を積極的に求める態度が必要で,チームアプローチの重要性を説いている。2) ベスコウ Beskowによる自殺のプロセス4)(図6) そしてまた,心理/精神科の専門職が未遂者に関わるとしても,最初の出会い・関わりまでに時間がかかりすぎると,「もう大丈夫,(自殺はしない)。(あなた達専門家の)援助は必要ない」と支援の申し出への拒絶があり,治療的関わりが非常に難し(図5)自殺プロセス(張賢徳)(図6)自殺のプロセス Beskow(ベスコウ)

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