南予医学雑誌 第18巻
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南予医誌 Vol.18 No. 1 2017-32-  Luminal HER2 乳癌の増加と広がる治療選択   原  著受稿日 平成29年8月18日受理日 平成29年9月5日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1-1 市立宇和島病院 外科 中川 みく 中 川 み く1),岡 田 憲 三1),兼 定   弦1), 向 井 直 樹1),西   悠 介1),友 藤 克 博1), 石 田 直 樹1),佐 藤   創1),今 井 良 典1), 中 村 太 郎1),根 津 賢 司1),渡 邊 常 太1), 坂 尾 寿 彦1),松 影 昭 一2),中 西   護2), 梶 原 伸 介1) 1)市立宇和島病院 外科 2)市立宇和島病院 病理診断科要   旨 乳癌診療において,HER2蛋白過剰発現や遺伝子増幅の有無は,トラスツズマブを始めとするHER2を標的とした分子標的薬の適応を決定するため,慎重に判断されるべきである。2013年のASCO/CAPのHER2検査ガイドラインの改定を受け,本邦においてもHER2検査ガイド(乳がんHER2検査病理部会)の改定が行われた。HER2検査ガイドの改定以降,IHC法でスコア2+と判定され,FISH法で再検査される症例が増加している。それに伴いHER2陽性症例も増加しているが,その多くは一般的に再発リスクが高くないとされるLuminal HER2乳癌であり,治療方針に悩まされることが多い。 (南予医誌 2017;18:32-38.)Key Words:乳癌,FISH法,Luminal HER2

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