南予医学雑誌 第17巻
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南予医誌 Vol.17 No. 1 2016-80-(図2) 冠動脈CTA(症例2)左冠動脈#6-7, 右冠動脈#1, 大動脈弓部, 左鎖骨下動脈より分岐する異常血管多数あり。これらの血管は肺動脈幹へ流入する。CTAが施行された。冠危険因子:高血圧(‒),脂質異常症(‒),糖尿病(‒),喫煙(+)冠動脈CTA(図2): 左冠動脈#6-7,右冠動脈#1より分岐する屈曲蛇行した異常血管を多数認め,肺動脈幹への流入あり。大動脈弓部,左鎖骨下動脈からも肺動脈幹へ流入する異常血管を複数認める。冠動脈瘻と診断した。 冠動脈には有意狭窄は認めなかった。その後の経過: 冠動脈瘻については現在経過観察されている。症例3:80歳代 男性主 訴:冠動脈スクリーニング現病歴:僧房弁閉鎖不全症,高血圧,糖尿病にて近医通院中。冠動脈スクリーニングのため冠動脈CTA目的で循環器内科に紹介された。冠危険因子:高血圧(+),脂質異常症(‒),糖尿病(+),喫煙(‒)冠動脈CTA(図3): 右冠動脈#1起始部より分岐する屈曲蛇行した異常血管あり。肺動脈幹への流入を認め,冠動脈肺動脈瘻と診断した。 左冠動脈#6に石灰化を認めるが,有意狭窄は認めなかった。その後の経過: 近医での僧房弁閉鎖不全症,高血圧,糖尿病の治療継続中。 冠動脈瘻については経過観察されている。考察 冠動脈瘻は冠動脈と心内腔,あるいは心臓周囲の大血管との間に交通路を形成する

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