南予医学雑誌 第17巻
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南予医誌 Vol.17 No. 1 2016-46-   症例報告受稿日 平成28年5月17日受理日 平成28年9月9日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1-1 市立宇和島病院 血液内科 金子 政彦  標準体型の若年男性に発症した上腸間膜動脈症候群 中 川 み く1)2),花 山 雅 一3),岡 本 傳 男3), 福 井   総4),金 子 政 彦2), 1)市立宇和島病院研修センター 2)市立宇和島病院 血液内科 3)市立宇和島病院 消化器内科 4)市立宇和島病院 放射線科要   旨 上腸間膜動脈症候群(Superior mesenteric artery syndrome: SMA症候群)は急性腹症を示す稀な疾患であり,若年の痩せ型の女性に多いとされる。今回我々は,標準体型の若年男性に発症したSMA症候群を経験した。 症例は19歳男性。昼食後に突然の腹痛・嘔気・嘔吐が出現し,当院救急外来を受診した。単純CT検査で,十二指腸水平脚がSMAと腹部大動脈に挟まれて狭小化し,胃・十二指腸の拡張および液体貯留を認めたことから,SMA症候群と診断した。腸管減圧,絶食,補液などの保存的治療のみで改善した。 SMA症候群は,男女を問わず発症することを念頭に置き,診断に際しては,その特徴的なCT画像所見からこの疾患を想起することが可能である。 (南予医誌 2016;17:46-52.)Key Words:上腸間膜動脈症候群(SMA症候群)

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