南予医学雑誌 第17巻
3/90

南予医誌 Vol.17 No. 1 2016-1-   展   望  市立宇和島病院小児科の患者の動きからみえる地域の抱える問題 林   正 俊,長 谷 幸 治 市立宇和島病院 小児科 (南予医誌 2016;17:1-8.) 受稿日 平成28年6月22日受理日 平成28年8月23日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1-1 市立宇和島病院 小児科 林  正俊要旨 地域の少子高齢化が進み,医療行政の動きもあって,地域の小児医療を如何に進めるべきかの問題に我々は直面している。筆者が最初に当院に赴任して以来約20年の患者数の推移をまとめると,地域の人口減少に伴い外来患者数は減少したが,救急(時間外)外来患者数はむしろ増加した。入院患者数は人口減少の割には大きな落ち込みなく推移している。この地域の周辺医療機関の動きや医療行政が求める平均在院日数短縮の動き,さらに急性期疾患の減少と慢性疾患の相対的増加などが複雑に影響しているものと推測できる。小児科医は24時間,365日の診療を求められる状況にあり,かつ患者の権利意識の増大もある。今後の小児医療の在り方を再考したい。 本論文に利益相反に該当するものはありません。 本論文は,市立宇和島病院倫理委員会で承認を得ております。(承認番号 165-94)Key Words:少子高齢化,患者数,救急外来

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る