南予医学雑誌 第17巻
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南予医誌 Vol.17 No. 1 2016-25-  市立宇和島病院放射線科における副腎静脈サンプリングの現状   原   著要   旨 原発性アルドステロン症の手術適応を決定する必須の検査として,市立宇和島病院放射線科でも副腎静脈サンプリングの件数が増加しており,その現状を報告する。2010年4月から2016年8月の間に49例の検査が施行された。副腎静脈採血の成功率は左側100%,右側83%であり,右側でやや低い結果となった。不成功の原因は右副腎静脈の同定失敗やカテーテルの逸脱が考えられた。成功率を向上させるために検査前に造影CTで右副腎静脈を詳細に検討すること,検査中にコーンビームCTを利用することが重要と考えられた。合併症として下大静脈内膜損傷と右副腎出血を1例ずつ認めた。その他,右副腎出血の疑いで採血することなく検査を中止した症例が1例あった。  (南予医誌 2016;17:25-32.)Key Words:副腎静脈サンプリング,原発性アルドステロン症受稿日 平成28年8月3日受理日 平成28年11月1日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1-1 市立宇和島病院 放射線科 岩村 卓明 岩 村 卓 明1), 福 井   聡1), 井 上 祐 馬1) 竹 口   崇2), 宮 内 省 蔵3), 宮 﨑 万 純3) 1)市立宇和島病院 放射線科 2)市立宇和島病院 放射線診断科 3)市立宇和島病院 糖尿病・内分泌内科

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