南予医学雑誌 第17巻
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南予医誌 Vol.17 No. 1 2016-14-考察 当院の糖尿病教室は2003年以前の年間12回開催時で参加者数は1回あたり20人程度であった。チーム医療の形をとってからは開催数を年間30回に増加させ,夜間教室やパール会などの新しい試みを実施し,相乗効果で教室の参加人数増につなげた。また各診療科の医師や院内すべてのコメディカル,事務部門の協力のもと教室内容のマンネリ化を防ぎ,現在の1回あたり30人程度の参加が実現できた。健康に関する情報が氾濫している中で患者は正しい知識と自ら主体となって取り組むことが必要である。CDEは自分の専門分野の講義を担当するために,患者により分かりやすく必要な知識を伝えられるように自己研鑽を積むことができる。また,パール会を担当することで,患者個々の話を傾聴することで継続的な療養の動機づけを行い,信頼関係が芽生え,主体的に取り組めるようなサポートを行えるようになる。CDEという共通の資格取得により,各職種間の横のつながりが強固になり,チームの力となり教室参加患者の良好な血糖コントロールに結実すると考えられた。 さらに糖尿病週間のブルーライトアップうわじまでは病院職員だけでなく管理会社の協力を得られたことで,イルミネーション点灯式が開催可能になり,隣接の病院職員による寸劇など地域全体を巻き込んだ糖尿病支援に繋がった。このような取り組みの積み重ねが教室継続参加患者のHbA1cの改善・維持を促したと考えられた。参考文献1)  中村早希子,濱田晴美,中野寛子,他:当院における18年間220回の糖尿病教室の変遷.糖尿病2013;56:10:8182)  鈴木裕子,額谷綾子,佐藤和恵,他:糖尿病療養指導チームによる指導効果の調査.糖尿病2015;58suppl.1:1823)  芝唯,山本育子,田淵房子,他:糖尿病教室における糖尿病チームの動機づけ指導の効果.病態栄養2016;19suppl.s-98

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