南予医学雑誌 第17巻
12/90

南予医誌 Vol.17 No. 1 2016-10-はじめに 糖尿病教室は多くの病院で実施しているが,チームとして取り組むことにより参加人数の増加や内容の充実が図れる1)のは言うまでもない。さらに糖尿病療養指導士有資格者による支援であればなおさらである2)。2000年に「日本糖尿病療養指導士認定機構」が設立され「日本糖尿病療養指導士(CDEJ:Certied Diabetes Educator of Japan )」の資格認定が開始され日本の各地でCDEL: Certied Diabetes Educator(Local)の教育・資格認定も進んでいる。当院でも2004年には11人であった有資格者が2016年6月現在で26人(CDEJ9人CDEL17人)と増加している。そこで多職種によるチーム形成とCDE有資格者の増加が糖尿病教室へ与える影響を検討することにした。 まず,糖尿病教室の活動内容をまとめ,教室参加者へのアンケート結果から理解度や意識の変化を調べ,前向きに取り組むことによる療養に果たす効果3)を検討した。対象と方法1)  糖尿病教室の参加人数(年間12回開 催の2003年と多職種共同で年間30回開催とした2004年以降の参加者数)と講師の職種,所属をまとめ,夜間教室やパール会参加人数,糖尿病週間行事(ブルーライトアップうわじま)の内容をまとめた。2)  参加者へのアンケート(期間2013年9月~2014年6月,回答延べ数247人,平均年齢66.4歳)を実施して理解度や意識変化を調査した。3)  2015年度2回以上継続参加でHbA1cのデータがある患者10人(男性3人女性7人平均年齢74.2歳)を抽出しHbA1cの最近1年間の推移と,QI(Quality Indicator)による当院の糖尿病患者全体の比較をした。結果 糖尿病教室は,昭和54年の第1回は管理栄養士1名が担当し13人の参加者であった。2015年3月は最多で39人/回があった。参加人数・開催数はチーム発足と講師の職種が増えて増加した(図1,表1)。継続参加は外来患者が多く,15年以上参加の患者もいる。 夜間教室は,2003年11月に第1回を開催し,年間3回程度の開催を継続中で平均11人/回の参加者があり現在までに38回開催している。夜間教室は仕事で昼間の教室に参加できない患者を対象にし,ひとつの講演を短時間にして講師数を増やし1回の開催で効果的に糖尿病の知識を多職種から得られるように配慮している。 パール会は,2003年7月に結成され現在会員数は56人で,毎月1回の開催でこれまでに118回開催している。参加者は第1回から継続参加している患者数人を軸に固定されつつあるが毎月継続して行っている。座談会や模型を使ったインスリン注射など体験型の内容を主に行っている。最近はカンバセーションマップを使用した活動が増えている。 糖尿病週間行事は11月14日の世界糖尿病デーを含む週に行い2009年11月14日に第1回を開催して以降,市立宇和島病院啓発事業として毎年恒例の「ブルーライトアップうわじま」として定着し,2015年で7回開催している。患者家族スタッフ等

元のページ  ../index.html#12

このブックを見る