南予医学雑誌 第16巻
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南予医誌 Vol.16 No. 1 2015-6-   展   望受稿日 平成27年8月7日受理日 平成27年8月14日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1-1 市立宇和島病院 小児科 岡本健太郎はじめに 地域医療を考えるにあたり,小児医療は重要な課題の一つである。地域での小児医療の問題点として,小児科医の不足や地域偏在,軽症患者の救急受診および二次以降の入院可能な病院の配置などが指摘されている。愛媛県の南部地域である南予では,少子高齢化の流れがより速く,小児医療の将来が懸念されている。本稿では,南予の宇和島医療圏における小児医療の現状を明らかにし,改善点を展望した。 1)日本における小児科医不足の現状 厚生労働省による医師・歯科医師・薬剤師調査の概況1)によると,医師数(医療施設の従事者)は平成8年の230,297人から,平成24年には288,850人に増加した。その内,小児科医は13,781人(6.0%)から16,340人(5.7%)と,人数では増加したが,医師全体における割合はやや減少した。また,女性医師について比べてみると,女性医師全体では30,529名から56,689名に増加しているが,小児科の女性医師は6,164名(20.2%)から約5,500名(9.7%)に減少している。それでも,平成24年の調査時点で,女性医師の割合は,内科(16.5%)についで,二番目に多かった。 愛媛県南部の宇和島医療圏における小児救急医療 岡 本 健太郎1)2)3)4),檜 垣 高 史1),石 井 榮 一5) 1)愛媛大学大学院医学系研究科地域小児・周産期学講座 2)市立宇和島病院小児科 3)宇和島市立津島病院小児科 4)県立南宇和病院小児科 5)愛媛大学大学院医学系研究科小児科学講座 (南予医誌 2015;16:6-11.)

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