南予医学雑誌 第16巻
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眞田、他:小児の点滴ルート保護方法南予医誌 Vol.16 No. 1 2015-63-た」などの意見がスタッフからあった。そこで,ベルトを使用し簡単に装着ができ,皮膚に優しく,かつ十分な防水効果が得られる方法を求めてこの研究に取り組んだ。Ⅱ.研究目的 シャワー浴時に十分な防水効果が得られ,皮膚への負担が少なく簡単に装着が出来る点滴ルートの保護方法を検討する。Ⅲ.研究方法1.調査期間  平成25年10月~平成26年5月2.対 象  病棟看護師20名,保育士1名, 看護助手3名;計24名3.実験方法【必要物品】 ・ パーミロール®:フィルムドレッシング ・ 固定ベルト:ゴム部;幅7㎝×長さ30㎝,材質ポリエステル。マジックテープ固定幅5㎝  ・ 黒ベルト:ゴム部;幅3㎝×長さ30㎝,材質ポリプロピレン,ナイロン,マジックテープ固定幅2.5㎝  ・ クロスガーゼ:縦に四つ折りにしたもの(6㎝×25㎝) ・3Mテープ ・ビニール袋   【手 順】概要:対象者24名の皮膚をクロスガーゼで固定しビニール袋で覆い,固定手段をパーミロール®(A群),固定ベルト(B群),黒ベルト(C群)の3種類のいずれか(図2)として1人の両手に二種類の方法で研究者がシャワーをかけた。その後,それぞれのビニール袋内のクロスガーゼの重さを測定し,皮膚症状などを観察した。 なお,並行して看護師20名がビニール袋で前腕を覆った状態から,ABC各群で装着に要した時間を「装着に要した時間」として測定した。詳細: ⑴ 看護師ごとに2種類の異なる群の固定手段を無作為に組み合わせて準備(AとB,AとC,BとCの3パターン)し,両腕同時に一名ずつ施行した。 ⑵ 固定方法は縦に四つ折りにしたクロスガーゼの上端を,肘部より10㎝下に添わせて1周巻き3Mテープで一箇所止めた。その後ビニール袋で前腕を覆いビニール袋上部を各群の固定手段により固定した(ビニール袋の重なる部分は前腕内側に止めた)。(図2) 各群の保護方法 パーミロール®(A群) 固定ベルト(B群) 黒ベルト(C群) (図2) 各群の保護方法 パーミロールR(A群)固定ベルト(B群)黒ベルト(C群)

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