南予医学雑誌 第16巻
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南予医誌 Vol.16 No. 1 2015-61-   原   著要   旨 小児科入院において急性期疾患患児は持続点滴治療が必要となる。最近では症状が安定した際,ヘパリンロックを使用し,ルート維持のままシャワー浴を行なうケースが増えてきた。現在パーミロール®によるテープ貼付を行なっているが,処置に時間を要し,皮膚発赤を起こすことがあった。そこで,パーミロール®・固定ベルト・黒ベルトの3つの方法を用い,防水効果,皮膚発赤,装着中の痛み,装着に要する時間について比較した。その結果,固定ベルトと黒ベルトを使用する方が簡単に装着ができ,皮膚への負担も少なく,かつ十分な防水効果が得られることがわかった。  (南予医誌 2015;16:61-66.)Key Words:小児,持続点滴,防水保護,皮膚発赤,装着時間受稿日 平成27年7月28日受理日 平成27年9月14日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1-1 市立宇和島病院 看護部 眞田 陽子  小児のシャワー浴時の効果的な点滴ルート保護方法の検討 眞 田 陽 子,向 井 清 美,島 田 小 好,山 本 久 美 市立宇和島病院 看護部 6階西病棟 看護師Ⅰ.はじめに 当院では,小児病棟の急性期疾患患児の約98%が持続点滴治療を受けており,入院中の清潔ケアは毎日の全身清拭で対応している。最近では,症状が落ち着いていれば点滴中であってもヘパリンロックを使用してシャワー浴の許可が出るケースが増えている。 これまで点滴ルートの防水保護方法は,防水フィルムやテープの重ね貼りで対応してきたが,使用する材料や方法は看護師間でばらつきがあった1)。 今回,防水フィルムのパーミロール®を

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