南予医学雑誌 第16巻
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南予医誌 Vol.16 No. 1 2015-58-があった場合でもすぐに対応できるよう表示しておく必要があり,スタッフ間での情報の共有が必要である。 避難経路については,「この経路で本当に避難できるのか」,「階段を3階まで上がることができるのか」,「避難経路が外来患者も入院患者も同じところで混乱は起きないだろうか」などの不安が増強したと思われ,避難経路の見直しも必要である。 緊急連絡先リストの設置場所は,訓練後でも8名中3名がはっきり知らなかった。リストは災害時以外でも利用することがあり,早急にスタッフ全員が位置を把握する必要がある。 災害時透析中の患者を安全に避難させることについては,自信が全くないと答えた者は訓練後にはゼロになった。訓練の大きな成果と評価できる。 避難訓練を体験したくないと答えた者は,訓練前にはゼロであったが訓練後に1名居た。訓練したことにより災害のイメージができ,不安感が増したのかも知れない。年3回以上の訓練が必要だと答えた者は訓練後に半数(4名)と増加しており,訓練の必要性は理解できているものと考えられる。「災害はいついかなるときでもやってくる」と考えておかなければならず,今後も配役やシナリオを変更し,訓練を続ける必要がある。 リーダー・スタッフとしての行動は,Aリーダーの行動は,全体を把握し総リーダーに報告し指示を受ける,Bリーダーの行動は,Aリーダーの指示で避難誘導の先頭に立つことである。どちらも機敏な状況把握が必要で,判断力も要求される。そのため,「自分がパニックに陥ってしまうのではないか」,「患者のパニックを押さえることができるのか」,「リーダーとして動けるのか」などの不安があったものと考えられる。しかし,訓練において実際に手技を体験できたことは,これからの自信につながっていくと思われる。スタッフの行動は,(図8)年何回くらい避難訓練が必要だと思いますか

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