南予医学雑誌 第16巻
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柳川、他:透析室看護師の震災避難訓練南予医誌 Vol.16 No. 1 2015-57-(図7)緊急連絡先リストがどこにあるか知っていますか勧められたらするが2名だった(図7) 。 訓練前のアンケートでしたいと答えた理由には,「体験しないと自分がパニックになり動けなくなるから」と記述したものがあり,訓練後のアンケートでは,「継続的に訓練をしたい」,「自分たちの自信になる為でやった方がいいとは思うが,職場のことなので協調性を重視する」という記述があった。 年何回くらい避難訓練が必要だと思いますかの問いには,訓練前は年1回が3名,年2回が4名,年3回が1名,それ以上は0名だった。訓練後は年1回が1名,年2回が3名,年3回が2名,それ以上とは,2名だった (図8) 。4)その他 自由記述で尋ねた地震発生時の不安について,訓練前には自分を含め患者がどの程度パニックになるか想像がつかず,少人数で対応できるか,まして患者が高齢化しており,護送患者も増えているので全員は避難させられない。訓練後には,患者,スタッフがパニックになるのではないか,地震発生後対策本部からの情報がすばやく入ってくるのか,避難経路が長く混雑するのではないかなど具体的な不安があった。考察 患者の避難については,訓練後には緊急離脱方法が具体的に理解できて自信がついたと思われるが,この訓練だけでは操作をはっきりと理解できていないスタッフが1名いたことから,スタッフ全員が取得できるよう訓練し再確認する必要がある2)。 患者の優先順位(離脱)については,1名だけ訓練前後どちらもわからないと答えた者があった。避難誘導の判断や離脱の優先順位の判断は患者の生死を分けることになる可能性が高い。その判断のよしあしで患者をより危険にしてしまうおそれがある。現在のベッドの位置は,透析室の入口から見て一番奥から動ける人で,入口近くが担送患者に配置されている。しかし,患者のベッド変更や新たに導入になった患者

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