南予医学雑誌 第16巻
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南予医誌 Vol.16 No. 1 2015-49-   原   著要   旨 近年日本各地において地震災害が多発し,南海トラフを震源とする大地震の発生も予測されている。X病院透析室における災害対策は急務であり,なかでも震災時の避難訓練が重要だと考えられた。今回,透析室で行った避難訓練前後のアンケート調査を分析したところ,緊急離脱,避難優先順位が理解できた,リーダーの行動には不安が残ったが,スタッフの行動は全員がイメージができたなど,一定の成果が得られた。今後も引き続き訓練を行い,迅速安全な非難ができるよう,災害対策に取り組みたい。  (南予医誌 2015;16:49-60.)Key Words:透析室,震災,避難訓練受稿日 平成27年7月14日受理日 平成27年9月29日連絡先 〒798-3393    愛媛県宇和島市津島町高田丙15番地 宇和島市立津島病院 沖  孝子 透析室看護師の震災時対応について -避難訓練による認識の変化- 柳 川 美 保1),山 平 衣 代1),森 林 真由美1), 舩 田 美智子1),松 久   進2) 1)宇和島市立津島病院 透析室看護師 2)宇和島市立津島病院 泌尿器科医師はじめに 近年日本各地において地震災害が多発し,南海トラフを震源とする大地震の発生も予測されている。 X病院では,入院患者を含め35名程度の透析を行っている。震災時には被害の拡大や混乱を最低限にしなければならない。平成26年に実施した外来通院患者の震災に対する意識調査の結果,自分の身は自分で守らなければならないと認識はしていたが,震災に対する危機感,認識度は低いこ

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