南予医学雑誌 第16巻
45/118

南予医誌 Vol.16 No. 1 2015-43-   原   著要   旨 分子標的薬,生物学的製剤の登場により免疫抑制・化学療法の効果は大幅に向上した。しかし,これらの治療が原因で生じるB型肝炎ウイルス再活性化,いわゆる「de novo B型肝炎」が問題となっている。2009年に厚生労働省は「免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン」を発表したが,医療者に周知できていない問題があった。当院ではその対策として「HBVスクリーニング検査項目のセット化」,「陽性報告」「定期的な依頼件数,陽性率の報告」を行いガイドラインの遵守をはかった。スクリーニングセット検査陽性率は35%(98/277件),またHBs抗原陰性のオカルトHBV感染は29%を占めた。今後も本問題の周知・ガイドラインの啓蒙が必要である。  (南予医誌 2015;16:43-48.)Key Words:‌化学療法・de novo B型肝炎・免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン・オカルトHBV受稿日 平成27年6月5日受理日 平成27年7月29日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1-1 市立宇和島病院 臨床検査科 西本 幸恵 免疫抑制・化学療法により再燃化するB型肝炎対策  ~当院の現状~ 西 本 幸 恵1), 大 下 時 廣1), 赤 松 金 平1),  橋 本   悠2), 岡 田 憲 三3) 1)市立宇和島病院 臨床検査科 2)市立宇和島病院 消化器内科 3)市立宇和島病院 外科

元のページ  ../index.html#45

このブックを見る