南予医学雑誌 第16巻
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南予医誌 Vol.16 No. 1 2015-36-   原   著要   旨 【目的】当院で内視鏡的に摘出した上部消化管異物症例について,異物の内容や合併症のリスクに関して臨床的検討を行った。 【方法】当院にて2007年から2014年までの8年間で内視鏡的に上部消化管に異物を認め,摘出術を施行した54例を対象とした。年齢,性別,既往歴,異物の種類,停留部位,摘出方法,合併症について臨床的検討を行った。 【結果】上部消化管異物は鋭的異物が多く,義歯10例,PTP7例,魚骨7例などであった。停留部位は食道が28例(52%)を占めた。合併症は7例で認められ,いずれも鋭的異物であった。 【結論】上部消化管異物は義歯やPTP,魚骨などが多く,発症後24時間以上経過した患者では穿孔などの合併症に注意が必要である。  (南予医誌 2015; 16:36-42.)Key Words:上部消化管異物,内視鏡的摘出,予後 当院における上部消化管異物の臨床的検討 花 山 雅 一1),行 本   敦1),橋 本   悠1), 小 幡 善 保1),木 阪 吉 保1),長谷部   昌1), 岡 本 傳 男1),市 川 幹 郎1) 1)市立宇和島病院消化器内科受稿日 平成27年5月14日受理日 平成27年7月28日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1-1 市立宇和島病院 消化器内科 花山 雅一

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