南予医学雑誌 第16巻
23/118

岡、他:ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術:当院での初期例南予医誌 Vol.16 No. 1 2015-21-(表5) 尿禁制パッド使用1枚までパッド使用なし術後3M70% (22/30)43% (13/30)術後6M89% (17/19)58% (11/19)(表4) pT3症例PSAGScTNS重量pT術後PSARM尖部側面頚部11.484+32c-453a0.0110119.443+42abil383a0.0110105.763+31c-283a0.0110104.73+31c-233a0.02010.224+32a-633a0.0110103.493+42a-203a0.0204.23+42a-403a0.01030.54+53a-483b0.01111035.095+53a-253a0.011001(GS: Gleason Score, NS: Nerve Sparing, bil: bilateral, RM: Resection margin) (250症例以上の報告)を対象としたメタ解析ではRALRPがRRP,LRPより有意に断端陽性率が低いという結果であった(13.6%,24.0%,21.3%)。尚,この解析では合併症は3術式で同等,出血量と輸血率はLRPとRALRPでRRPより低く,断端陽性率,禁制,勃起率ではRALRPが好成績であった。当院での断端陽性率は23.3%であったが,これはpT3症例が多かったためで,pT2症例に限れば4.8%であった。 前立腺尖部処理の性格上,尿禁制は根治性と相反する因子である。Ficarraら8)のメタ解析ではRALRPで良好であった。Rafaelら7)の報告でも12カ月後の禁制率はRRP,LRP,RALRPでそれぞれ79%,84.8%,92%であり,RALRPで良好であった。当院では観察期間が短く比較できないが,比較的早期の3カ月目でパッドなしになる症例が多い傾向にあると思われた。 前立腺は血管の走行,筋の付着,周囲の膜構造などが複雑で個人差が大きいため解剖学的理解が難しく,また骨盤腔の最深部に位置しているため視認性や器具の操作性が悪く,前立腺全摘術は難易度の高い手術と考えられている。約30年の間に局所解剖の研究が進んだこと,低侵襲手術として腹腔鏡手術がはじまり拡大視野で観察できるようになったことで術式は大きく変化した。しかし,腹腔鏡手術は手術手技自体が難しくその習得に多くの時間を要する。一方,da Vinciのおかげで技術習得の時間は大幅に短縮され,RALRPでは手術結果も改

元のページ  ../index.html#23

このブックを見る