南予医学雑誌 第16巻
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南予医誌 Vol.16 No. 1 2015-20-(表2)術後結果摘出重量 17~82g(中央値36g)pTn2a112b02c103a83b1術後PSA ng/mln0.01180.0240.0330.0420.0621.441(表3) 断端陽性症例PSAGScTNS重量pT術後PSARM尖部側面頚部11.484+32c-453a0.0110119.443+42abil383a0.0110105.763+31c-283a0.01101010.224+32a-633a0.0110109.73+31cbil172c1.44101030.54+53a-483b0.01111035.095+53a-253a0.011001(GS: Gleason Score, NS: Nerve Sparing, bil: bilateral, RM: Resection margin) 約10年の間にLRP,RALRPが相次いで登場し,出血量,輸血率,合併症,癌制御および機能温存などについてRRPとの比較がなされてきた。比較的新しいメタ解析によると,出血量,輸血率はRRPよりRALRPで好成績であり,輸血率はLRPよりRALRPで好成績と報告されている4)。術中術後合併症については3者で有意な差はないとの報告があるが,RALRPがRRPより少ないとの報告もある4)5)。当院ではRRPの後期では自己血貯血なしで安定的に手術をしていた。LRPに転換した際,出血量が極端に増えたわけではないが,手技に慣れておらず,万が一の出血に対応できるか不安であったため自己血貯血を再開した。RALRPではRRPより手技が簡単であるため,万が一の出血にも対応しやすいという安心感のため自己血貯血を中止した。術中に尿が混じるため純粋な出血量の検討は難しいが,当院での出血量の減少は尿量の影響が大きく,術者の経験より施設の経験によるものが大きいと考えられる。合併症については当院ではカメラポートの腹壁瘢痕ヘルニアを1例に認めた。 前立腺癌の根治性を比較するにはPSA測定による生化学的再発率を比較するのが妥当であるが,再発までに10年近く要する場合もあり単純な比較が難しい。そのため生化学的再発率と相関が強いと考えられている摘出標本の断端陽性率がよく利用される。Novaraら6)のメタ解析では3つの術式で差は認められなかった。しかし,Rafaelら7)のhigh-volume-center

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