南予医学雑誌 第16巻
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南予医誌 Vol.16 No. 1 2015-12-   トピックス  ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術:当院での初期30例の報告 岡   明 博,白 戸 玲 臣,東   浩 司,山 下 与企彦 市立宇和島病院 泌尿器科 要   旨 ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術の当院での初期30例について検討を行った。コンソール時間は徐々に短縮し,15例過ぎたあたりで安定してきた。尿量を含めた出血量は12例以降安定した。15例目までは念のため術中に自己血輸血400㎖を施行したが,16例目以降は自己血貯血を中止した。全体の断端陽性率は23.3%であったが,pT1-2に限れば4.8%であった。禁制は観察期間が短く判断しがたいが,早期にパッドなしとなる症例が多い印象であった。 (南予医誌 2015;16:12-23.)Key Words:前立腺癌,ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術受稿日 平成27年8月19日受理日 平成27年9月14日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1-1 市立宇和島病院 泌尿器科 岡  明博緒言 限局性前立腺癌に対する手術療法として開腹前立腺全摘術(retropubic radical prostatectomy; 以下,RRP)は広く認められた方法である。低侵襲手術としての腹腔鏡下前立腺全摘術(laparoscopic radical prostatectomy;以下,LRP)は1999年フランスのGuillonneauらの発表を契機に広まり1),日本では2006年4月から保険適応となった。当院でも2010年に施設認定を取得しRRPから移行してきた。しかし,手技の習得の難しさや施設認定を受ける必要性などから必ずしも普及しているとは言い難いのが現状である。

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