南予医学雑誌 第16巻
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南予医誌 Vol.16 No. 1 2015-10-適正受診とのバランスをとることが重要である。小児では親の不安が強いことと,受診料がかからないことが多いことから,時間外の軽症の受診が増えやすい傾向がある。都内の大学病院などでは,時間外受診の患者から,別途料金を徴収する選定療養費などを導入するようになっている。その導入による小児救急患者への影響はまだ十分に検討されていないが,軽症患者の受診の抑制につながったという報告もある5)。このように制度面からのアプローチも目的によっては有効であると思われる。 宇和島圏においては,今後,更なる少子化の進行が予想される。しかし,時間外での小児救急に対応する小児科医は変わらず一定の数が必要とされる。小児救急を維持するために更に様々な対応を議論していく必要があると思われた。 本稿で示した統計データーは主に愛媛県や宇和島市のホームページ6,7)より入手した。 小児の救急搬送数などの調査に御協力いただきました市立宇和島病院総務管理課,県立南愛媛病院庶務係,市立津島病院総務係にこの場をお借りして深謝申し上げます。 本稿における利益相反はありません。 参考文献1)  厚生労働省:医師・歯科医師・薬剤師調査:結果の概要. 厚生労働省ホームページ;http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/33-20c.html.2)  岩田 充永, 箕輪 良行, 市川 光太郎, 他:日本救急医学会救急科専門医による小児救急診療への取り組み アンケート調査より. 日本救急医学会雑誌 2012;23;319-328.3)  総務省消防庁:救急救助の現況. 総務省消防庁ホームページ; http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/field-List9_3.html.4)  日本経済新聞:人口減少地図. 日本経済新聞ホームページ; http://www.nikkei.com/edit/interactive/popula-tion2014/map.html.5)  上條由美,篠原徹,的場匡亮, 他:時間外選定療養費制度導入の影響. 日本医療マネジメント学会雑誌 2015;16;53-57.6)  愛媛県:統計BOX. 愛媛県ホームページ; http://www.pref.ehime.jp/toukei-box/toukeika-01.html.7)  宇和島市:人口統計・その他. 宇和島市ホームページ; http://www.city.uwajima.ehime.jp/www/genre/0000000000000/1377151985084/index.html.

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