南予医学雑誌 第16巻
116/118

南予医誌 Vol.16 No. 1 2015-114-編 集 後 記 2015年のノーベル賞は、生理学・医学賞に大村智先生、物理学賞に梶田隆章先生の2名の日本人が受賞されました。2014年に続いて複数の日本人がいずれも自然科学系で受賞、“日本人の研究者は凄い!!” ところが、“ディオバン(2013)”と“STAP細胞(2014)”の不正論文問題、こちらも同じ日本人によるものであり、前者は利益相反問題・データの改竄が明らかになり日本のプレゼンスを大きく落としました。後者は“世界三大不正”のひとつ(他の二つは2002年の超電導研究不正(シェーン事件・ドイツ人)と2005年のES細胞捏造(ファン・ウソク事件・韓国人))に数えられ、中でも最も悪質といわれる始末です。今後、日本発の論文のアクセプト率が下がっていくことが懸念されます。 これらの出来事に呼応するかのようなタイミングで2015年4月1日、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」が施行されました。その骨子は、研究者等の責務等、研究計画書、倫理審査委員会、インフォームド・コンセント等、個人情報等、重篤な有害事象への対応、研究の信頼性確保などからなり、詳細に規定されています。また、論文の投稿に際してだけでなく、学術講演会の演題発表においても改訂倫理指針に則ったものでなければならないと謳っている学会もみられます。 本誌も本号より投稿規定を改訂しました。投稿者も編集室も、まず“臨床研究”の定義から勉強しなければなりませんが、医学研究のレベルアップのためには避けて通れない道だと考えていますので、ご理解をお願いします。(相原 隆一)編集委員相原 隆一(委員長)、池田俊太郎、岡田 憲三、長谷 幸治、福井  聡、伊藤 由理、中川 健司、藤井 文子

元のページ  ../index.html#116

このブックを見る