南予医学雑誌 第16巻
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南予医誌 Vol.16 No. 1 2015-112- これは今まで厳しい練習に耐えてきたアスリートの努力を無にするばかりではなく,将来に対しても大きく関わってきます。 私たち薬剤師がえひめ国体に対してもっとも貢献できることは,この『うっかりドーピング』の悲劇を未然に防ぐ活動を行うことないでしょうか。 現在,日本薬剤師会の協力のもと,日本アンチドーピング機構(JADA)は『公認スポーツファーマシスト認定制度』を実施しています。この事業の概要は,最新のドーピング防止規則に関する正確な情報・知識を持ち,競技者を含めたスポーツ愛好家などに対し,薬の正しい使い方の指導,薬に関する健康教育などの普及・啓発を行える薬剤師の育成を図るための認定プログラムを実施することです。このスポーツファーマシストのプログラムで,ドーピングに関するより多くの知識を得ることが出来,相談に来られた方々への対応を学ぶことが出来ます。 薬剤師には薬学の基礎があり,知識を深めれば,アスリートを支える他のスタッフよりも『うっかりドーピング』から選手を守ることが出来ます。 市販薬販売時や病院受診時,調剤薬局での投薬時などにアスリートや関係者から薬剤師が相談を受けることで,禁止薬物の摂取を防ぐことが出来る。学校教育の現場で,薬の使用に関する情報提供や啓発活動を,未来のアスリート候補や周囲の方々にも地道に行い続けていくことによって,『うっかりドーピング』からアスリートを守ることが出来るのではないでしょうか。 公認スポーツファーマシスト検索では,現在愛媛には22名の薬剤師が登録されておりますが,実際にはもっと多くの薬剤師がこの資格を取得されていると思います。 えひめ国体の開催は間近に迫ってきています。 えひめ国体を最高の国体にするため,「スポーツ立県えひめ」の実現のため,公認スポーツファーマシストであってもなくても,我々薬剤師はドーピングについての正しい知識を持って,ドーピング違反ゼロを目指し,2017年のえひめ国体に臨みたいと思います。

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