南予医学雑誌 第15巻
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南予医誌 Vol.15 No. 1 2014-90-(図2) 経過観察中の腹部超音波検査(a)7年6ヶ月後,(b)8年後7年6ヶ月後には腫瘍径25㎜と若干の増大を認め,8年後には腫瘍径が約43㎜にまで増大していた。ab低エコー域を認めた。 腹部造影CT検査:(図1,b)胃体部小弯側に内部均一低吸収で造影効果のない長径20㎜大の腫瘤影を認めた。胆嚢には既知の結石を認めたが,その他に特記すべき異常所見を認めなかった。 上部・下部消化管内視鏡検査:特記すべき異常を認めなかった。 婦人科診:特記すべき異常を認めなかった。 経 過:腹腔内腫瘍やリンパ節腫脹を考え,確定診断を兼ねて摘出手術をすすめたが,同意を得られず経過観察となった。6ヶ月毎に腹部超音波検査で経過をみていたところ,初診から7年6ヶ月では腫瘍径25㎜と若干の増大を認め,8年後に腫瘍径が43㎜に増大した(図2)。造影CT検査でも同様に腫瘍の増大を認め(図3),悪性が強く示唆されたため,本人の同意を得て腹腔鏡下腹腔内腫瘍摘出術を施行した。胃小弯側の腫瘍は小網からすぐに透見で

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