南予医学雑誌 第15巻
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中橋、他:UAEを行った子宮仮性動脈瘤例南予医誌 Vol.15 No. 1 2014-83-術後6日目に多量出血を来たし,子宮動脈塞栓術(Uterine Artery Embolization;UAE)にて止血し子宮を温存出来た症例を経験したので報告する。症   例 25歳,3経妊2経産 既往歴:特記すべき事なし。  現病歴:最終月経7月9日よりとして妊娠。8月27日前医受診し子宮内に胎嚢4.7㎜を確認。9月13日胎嚢6.3㎜と成長なく,稽留流産と診断され流産手術を施行(肉眼的に絨毛確認出来ず)。   流産手術後6日目に出血増量し,前医にて子宮頚管内に径6.3㎜の嚢胞様エコーを認め尿中HCG陽性(半定量で1000単位以上)であり,子宮頚管妊娠が疑われ同日当科を紹介受診となる。(図1) 経膣超音波検査カラードプラーにて、子宮頚部にほぼ球状で乱流のある血流を認めた(矢印)。 現 症:全身状態良好。  局所所見:帯下血性少量,子宮は鶏卵大・付属器を触知せず。  検査結果:Hb9.2g/dlと軽度貧血を認めた。  経膣超音波検査:頚管内左側に7㎜の嚢胞様エコーを認め,同部位にカラードプラーにてほぼ球状で乱流のある血流を認めた(図1)。 同日のMRI(ダイナミック3DT1強調画像):子宮頚部左側に早期より強く造影される結節様構造を認め,仮性動脈瘤が疑われた(図2)。  経過:当院受診時より新たな出血を認めなかった為,同日入院の上経過観察を行う事とした。しかし入院当日より翌日にかけて新たに性器出血を認めHb.7g/dlと貧血の進行を認めた為,止血の為子宮摘出とUAEの説明を行い,挙児希望が

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