南予医学雑誌 第15巻
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南予医誌 Vol.15 No. 1 2014-82- 子宮動脈塞栓術にて治療した子宮仮性動脈瘤の一例 中 橋 徳 文1),清 村 正 樹1),岩 本 麻 里1), 福 井   聡2) 1)市立宇和島病院 産婦人科 2)市立宇和島病院 放射線科受稿日 平成26年7月11日受理日 平成26年8月6日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1-1 市立宇和島病院 産婦人科 中橋 徳文要   旨 子宮仮性動脈瘤は子宮手術後や正常分娩後などに発生し,多量性器出血の原因となり止血の為子宮摘出も考慮される疾患である。今回子宮仮性動脈瘤に対し子宮動脈塞栓術(UAE)を行い止血出来た症例を経験したので報告する。 症例は25歳経産婦。前医にて妊娠2カ月進行流産の診断で流産手術施行。術後6日目に多量性器出血を来たし超音波検査で子宮頚管内胎嚢様エコー認め,頚管妊娠を疑われ紹介された。受診時子宮頚管内に径7㎜の嚢胞様エコーが認められ,カラードプラーで拍動のある血流が確認され子宮仮性動脈瘤を疑った。その後も子宮出血が持続し貧血が進行した為UAEを施行し止血が得られた。術後子宮頚管内嚢胞様エコーは消失した。 (南予医誌 2014; 15: 82-87.)Key Words:子宮仮性動脈瘤,子宮動脈塞栓術はじめに 仮性動脈瘤は,手術や外傷・感染などが原因で動脈壁が破綻し嚢状に拡張した後天性病変である。子宮仮性動脈瘤は,子宮内容除去術・帝王切開後・筋腫核出術後また正常分娩後などに発生し,多量性器出血の原因となる稀な疾患である。今回,流産手   症例報告

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