南予医学雑誌 第15巻
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南予医誌 Vol.15 No. 1 2014-73-  外科的ドレナージも考慮された眼窩蜂窩織炎・眼窩骨膜下膿瘍の小児例 浅 見 経 之,岡 本 典 子, 桑 原   優, 寺 岡 いづみ,高 橋 由 博,岡 本 健太郎, 長 谷 幸 治,林   正 俊 市立宇和島病院 小児科受稿日 平成26年5月30日受理日 平成26年7月25日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1-1 市立宇和島病院 小児科 浅見 経之要   旨 眼窩蜂窩織炎は多くの場合,近接組織からの直接的な,もしくは静脈を介した炎症の拡大によって生じる。小児の眼窩蜂窩織炎では副鼻腔炎からの波及が最も一般的な原因であり,一般に鼻性眼窩内合併症として知られている。眼窩内組織に炎症が波及すると眼球運動障害や視神経障害をきたしうる。 今回,副鼻腔炎から炎症が眼窩内に波及し,眼球の内転運動障害を伴い,抗生剤治療にて改善した眼窩蜂窩織炎・眼窩骨膜下膿瘍の一例を経験したので報告する。本例では経過を慎重に観察した結果,外科的ドレナージは施行せずに治癒したが,症例の経過によっては,外科的ドレナージの要否をすみやかに判断することが重要である。 (南予医誌 2014; 15: 73-81.)Key Words:眼窩蜂窩織炎,副鼻腔炎,眼窩骨膜下膿瘍,小児   症例報告

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